その足は、なんともならないの!?
彼女は言った。
なりません。
僕の、
脊髄から飛び出しそうな脊髄腫瘍のお話をした。
痛いの!?
気が狂う程に痛いよ。
眠れない!?
眠れないよ。
彼女は、泣いてた。
毎晩、
焼酎を五合飲みます。
彼女は、もっと泣いた。
リュウマチで苦しんでいる方と言う。
お薬、効くの!?
効くと言う。
僕は、お薬が効かないんだ。
一生我慢の診断結果を貰ってる。
40年、原因不明の痛みだったんですよ。
神経内科が出来て、わかったんですよ。
うんうん。
彼女は、泣きながらうなずいていた。
子供の頃、
お医者さんの、
様子を見ましょう。
が、
わかりません。
と、知った。
痛みって、伝わらないんですよね。
だから、
子供の頃、
絶対に痛いって顔をしないって決めた。
言うと、
彼女は、また泣いた。
それを見て、
痛みって、伝わるんだな。
想った。
自分に痛みがある方は、相手の痛みを想ってくれるんだな。
想った。
僕は、
この時の為に、横浜に来た気がした。
心が痛いで、心痛。
同じかな!?
伝わるって。
幼い頃の僕に、教えてあげてくれれば良かった。
こんなお話をしている間、
僕は、ずっとニコニコ笑顔。
なんとなく、
中島みゆきさんの作った、「化粧」
悲しい歌を、
アイドルだからって、
笑顔で歌う淳子ちゃんと同じ感覚だろうかな!?
凍らせたアクエリアスを飲みながら、
想ったよ。