蘇州にお住まいの皆さま。
蘇州中心近くにあるランボルギーニホテルの中に、蘇州面のお店があることをご存知でしたか?
私は、知りませんでした!
お友達が“美味しいよ〜”と誘ってくれたので、行ってまいりました。
“苏面坊”
着いた時は満席でしたが、数分待つとすぐ6人がけの円卓に通されました。
洗練された雰囲気の店内です。
しばらくすると、30代くらいの中国人女性の2人組がやってきて、相席に。
小さな面馆ですし、大テーブルなら相席は当然のことなのですが、「一緒でもいいですか?」と私達に一声かけてから座る、とても感じの良い人達でした。
そしてもちろん「可以(いいですよ〜)」と応えると
今度はその内の1人が「日本人ですか?」と、突然きれいな日本語で話し始めてびっくり
聞くと、以前日本に留学していたのだそう。
そして今はこのホテル内で働いていて、お友達が蘇州に遊びに来たので、休みを取ってお昼を食べに来たとの事。
お休みなのに
「私は従業員ですから^^」
と、メニューを取ってきてくれたり、お茶を注いでくれたり、お友達のみならず、私達にも気を配ってくれる彼女。
“日本のラーメンが大好き、あれは世界で一番美味しい食べ物だと思います!”
と、弾ける笑顔で話してくれました。
そして蘇州面登場。
セットメニューを頼む人が多い様ですが、私達は副菜を色々頼みたかったので単品で。
スープは红汤にしました。
蘇州面は美味しいけれど、面が多すぎて半分でギブアップ
というイメージだったのですが、ここはそこまで多すぎずにいい感じです。
副菜も、ホテル内の面馆だけに味付けが上品。
面の上にトッピングして、マイ蘇州面(笑)が出来あがりました
特に気に入ったのは“荷塘松茸”。
レンコンのシャキシャキ、白い粒のモチモチなど、食感が色々変わって楽しいのです。
しかしこの白いの、何だろう?
(器の一番手前の中央あたりにある、丸い粒です。)
久しぶりに会ったかもしれない2人の会話を、邪魔するのは忍びなかったのですが
どうしても気になって、相席の女性に聞いてみました。
すると。
名前は芡实(qiànshí)または鸡头米(jī tóu mǐ)。
蘇州特産で、今がちょうど時期の、ちょっとした高級食材であること。
(500gで120元/1800円ぐらいだそう。)
栄養価が高いことや調理の仕方など、丁寧に教えてくれました。
蘇州特産の季節ものと聞くと余計に美味しく感じられ、一粒残さず食べました。
その後店内が空いてくると、彼女達はゆっくりおしゃべりする予定の様で、窓際の小さい席に移りました。
私達は食べ終わって場所を変えようとお会計に行くと、店員さんが
「お代はもういただいています」
と。
えっ?
えっ?
えーーーっ?
日本語の話せる相席の女性が、すでに私達の分の支払いを済ませていたのです。
こういう事は芸能界でしか、起こらないと思っていたのですが
しかも私達と彼女は、この日初対面。
たまたま相席になって、少し話したと言うだけで、お互いの名前さえも知らないのです。
しかも結構年下
慌てて彼女のところへ行くと、にこにこと
「ご縁ですから!日本の方が、蘇州面を気に入ってくれて嬉しいです。是非また来て下さいね」
と。
ここで払うと言い張るのも無粋かと思い、ありがたくご馳走して頂くことにしました。
人生初のたけし(北野)さん風、スマートな奢られ方を経験し。
ちょうど3年前に受けた親切の数々に、想いを馳せていた事もあり。
日本に帰ったら、外国人、特に中国の人に遭遇した際は、出来る限り親切にしよう。
そう、心に誓ったのでした。
もちろん!
また食べにきますとも!