8月に入ってから
私はMさんに法事予告をされた。

但し、私は行く気ゼロ。


義父とは不仲ではないが、
Mさんの不倫騒動の時に
『たかが不倫だろ』とバカにしたり
相手の女が可哀想だとか言っていたのだ。

Mさんに向かって怒るとかもしないし、
親として何か言ってくれたら良いのに、
相手を擁護して、こちらをバカにしたり…
私にはとても理解出来なかった。

そんな事もあり、
もうMさん側の親戚付き合いはしない、
そう決めていたのだ。





「法事、行かないって言ったよ」
私は小さな声で抵抗した。
「え?行かない?は?」
まるで、その選択はあり得ないという
リアクションのMさん。

「行かないよ、だから何っ?」
ちょっと語気を強めて言い返す私。
「ふーん。」
納得がいかない様子のMさん。

「嫌なの。会いたくないの。
 Mさんの不倫問題の時に、
 散々Mさん側の身内から言われた。
 みんな貴方を擁護して私は悪者になった。」

Mさんは当時を思い出しているのか、
一点だけを見つめて何も言わないが、
私はそのまま話し続けた。

「Mさんは何を期待してるの?
 夫婦円満ですよ!ってアピールしたい?
 それとも、嫁なら法事に参加は
 当たり前でしょ?って言いたい?」
「いや、別に…
 ただ、一緒に行けたら良いなと思って。」
「あ、そう。じゃ、行かないから。
 私とC君は欠席で。」
「……分かった。」

もう、本当にMさんの身内は嫌だ。

「Mさんの不倫のせいだから。
 私はMさん側の身内や親戚と
 嫌な関係性になったのは、Mさんのせい。
 自覚してます?」

Mさんはもう何も言わない。

もう、マジで、あの世で私に詫び続けろ!
って叫びたい。

あの世?

あっ。

「Mさん!
 私、Mさんと同じ墓には入りたくない。」

「え??」

この時ばかりは、声を出したMさんだった。