義父(Mさんのお父さん)が退院し、
今は苦しい時だけ酸素をつけているようだが、
全てMさんが面倒を見ていたので
私はどんな酸素生活なのか知らない。

まぁ、知りたいとも思わないが。





8月に入ったある日の事。
ご近所の区長さんがウチを訪ねて来た。

「今度、8月の終わりに地区のイベントがあるから、参加をお願いできないだろうか。」
区長さんが私にそう言ったのだ。
「イベント?」
私は内容を確認して、後日回答する事にした。


リビングに戻ると、Mさんが話しかけてきた。

「地区の用事?」
「そうみたい。」
「参加するの?」
「うーん。区長さんから直接誘われたから…」

私は少し悩んでいると、
Mさんが話しかけてきた。
少し苛立ちがある感じで…

「8月の最終週の休みにさー、
 そのイベントと同じ日なんだけど、
 法事があるって話たよね?」


キタ。
亡くなった義母(Mさんのお母さん)の事だ。
今年に入ってから、その話を言われたが
一切、無視していた。

義母には悪いが、
じいさんが強制してくる事も嫌だし、
Mさんの身内にも会いたくはないし、
行くつもりはなかった。

行かない理由をどうするか…と
考えたりしていたが、
準備ができていない今、
ハッキリと法事の話が出てしまった。


そしてMさんは、私の思いを知らず
誘い続けた。

「法事があるからね。分かってる?」
「……ソウジ?」
「法事。」
「……ホウシ?」
「法事!」
「・・・」

うるせ〜、分かっとるわ!
誰が行くか!