7月に入り、もうすぐ結婚記念日。

あれから…3回目の記念日だ。
ん?
いや、4回目か?

Mさんが数年間不倫して、
愛人との関係を解消して
家庭に戻って、はや3年だが、
4回目の結婚記念日がくるのか…

今年はどうするのだろう。

結婚記念日は更新日として定め、
私達夫婦は年度更新制にしたのだ。


でも、Mさんのことだ…
もう許されたと思っているのだろう。
過去は変えられないし、消えないというのに。


ある日、仕事から帰宅して着替えていると
「来週お休みできる日ある?平日で。」
Mさんが急に私へ聞いて来た。
「何で?」
「山に行こう!」

潮干狩りの時、山を期待していた私を
海に連れて行ってしまった事を気にしてか?

「山?」
「うん、この間は海だったから今度は山!」
やっぱり。
「はいはい。休みが取れたらね。」




そして結婚記念日。
ちょうど今年の七夕は日曜日。

「明日って、休み取れたの?」
Mさんが聞いて来た。
「うん、まぁ、何とか。」
そう私が答えると、Mさんは喜んでいた。
「よしっ、じゃあ、どこに行きたい?」
そう言って、Mさんはスマホで探し始めた。

便利な世の中になったもんだ。
昔はお出かけといえば『るるぶ』だった。
それが今はスマホで何でも探せる。


どうでも良いけど、今日はどうするのか?
特に予定もなく、ダラダラ過ごし、
私は疲れた身体を休めようと夕寝した。
少しだけ…少しだけ…と。


「ご飯だよ」
C君が私を起こしにきた。

いけないっ、すっかり寝てしまった。
目が覚めると夜の7時。

リビングに降りて行くと
Mさんが作った豪華な夕食があった。

「何でこんなに夕食が豪華?」
C君がMさんに聞いていた。
「今日はお祝いだから。」
Mさんは明るく答えていた。
「ママ、今日って結婚記念日だよね?確か。
 お祝いなの?これって。」
「え〜と…一般的にはお祝いでしょうね。」
「ウチは(笑)?」
息子が笑いながら聞いて来た。
「ウチは……どうなのかな。」

複雑だな。


Mさんは食後のデザートに
ケーキを出して来た。

「いつの間に、ケーキ買ったの?」
びっくりして私が聞くと
「Aちゃんが爆睡してる時にね。」
笑いながらMさんが言った。
「あれ?モンブランが2つ?3つ?」
私がケーキを見ながら疑問になっていると
「1つはスペシャルモンブランで、
 2つは普通のモンブラン。」
Mさんが説明してくれた。

とっさに、スペシャルモンブランへ
私とC君の手が伸びた。
「ママの!」
「僕の!」

取り合いになると容赦しない(笑)

そして…
公平にじゃんけんとなり、私は負けた。

まぁいいか。
明日、高原にお出かけして
美味しい物を食べよう。

C君!明日、君は学校で給食だ(笑)