父の日当日。


父から喜びの電話が来た。
今年は紺色のサマーセーターを送った。
「ありがとう!嬉しいよ!」
「こちらこそ、いつもありがとう。」
そんな会話をして電話を切った。


夕食になり、私はMさんに報告した。
「お父さんから電話が来て喜んでた。」
「良かったね。」
そこへ会話にC君が参加してきた。
「今日って何の日?」
「…父の日ですよ。」
私が小さな声で言うと
「へー、おめでとう。」

え?おめでとう?
何がめでたい?
君の頭の方がめでたいのでは(笑)

「何がおめでとうなの?」
私は笑いを堪えながら聞いた。
「…父の日だから。」
「ん?父の日って、おめでとうと言わないよ。」
「え〜!じゃあ、なんて言うの?」

はい?
なんて言う(笑)?
オイオイ…


そういえば、これまで母の日にプレゼントを
C君からもらったけれど、
「はい、これ」と言われただけで
『いつもありがとう』とは言われてなかった! 

それに、学校行事で
『母の日のプレゼントで似顔絵描きましょう』
というのもなくなった。

昔は、母の日や父の日に合わせて

『いつもありがとう』と、

何か制作してプレゼントしたような気がする。


息子だって親に感謝はしているはず。

照れ隠しかな?



私は今更ながら息子へ伝えてみた。
「いつもありがとうって言うんだよ」
私がそう言うと
「そうなんだ。へー。」
「へー?」
「ん?」
C君は涼しい顔で夕食を頬張っている。


え?だから、感謝の言葉は?

ないんかいっ(笑)


「ところでさー」
C君が話をはぐらかし、別の話をし始めた。

「おじいちゃんにはプレゼント渡したの?」
「・・・・・」
「・・・・・」

おじいちゃん?

あっ!

Mさんの父親!

あー、そうだ。すっかり忘れていた。

そこは私の役目ではないような…


「……ん?何の話?」

そう言って、

私も涼しい顔で夕食を頬張ってみた(笑)