年度末から4月に入ってしばらくは
地域の事、子供の部活、パンパンの仕事、
そこに家事がプラスされ
リフレッシュできない日々が続いた。

当然、体が毎日悲鳴をあげていた。


ん?うーん。
なんだか、喉が痛いような…

飴を食べたりして乾燥しないようにした。


やっと週末になり、
金曜日の勤務が終わろうとしていた。
身体が痛い。嫌な予感が…

帰宅して、家事を済ませて
ようやく就寝。
明日は休みだからゆっくり寝ていよう。

そんな安らぎを求めていたのもつかの間、
深夜、熱くて目を覚ました。

熱っぽい。

体温計…体温計…
見つけたので測ってみた。

40.3℃。

『・・・・』
自分でも驚いて、思考停止。

さて、どうしよう。





リビングで転がっているMさんを起こした。

「ねー、ねー、起きて。」
「うん?……ん?Aちゃん、身体が熱いよ!』
私の腕を触ってMさんが心配して言った。
「うん、なんか…40℃あるらしい。」
「……らしい?」
「うん、体温計で測ったら、そう出た。」
「えー!早く冷やさないと!」
「うん、その前に…トイレ…うっ!」

私は吐き気がしてトイレへと向かった。

「気持ち悪いの?」
トイレのドア越しにMさんが声をかける。

うるさいなー。

40℃有っても、意外と平気な私。
ただ、吐き気はどうにも出来ない。

突然、トイレにこもった私を心配して
ドア越しに「大丈夫?」としつこいMさん。

少し落ち着いた私は、トイレの中から答えた。

「マーライオン…」
「え?」
「マーライオン!」
「ゲロ、止まらないの?」

……止まらない?

いやいや、マーライオンは流れ続けてるが、
私はずっと吐いてるわけじゃない。
物の例えじゃ。

「止まった。少し落ち着いてきた…」
トイレから出た私はそう答えた。
すると、Mさんが
「マーライオンって、
 結構勢いよく出てるよね〜(笑)」
スマホでマーライオンの画像を見て言った。

あんまり、マーライオンに食いつき、
そんなMさんがうるさいので一言呟いた。

「つわりかも…うっ。」

「………え?」

水枕に氷を入れているMさんの手が止まった。