Mさんとの話し合いの中、
私はポツリと呟いた。
「あのさ…」
「…ん?何?」

なかなか言い出せない私は
また黙り込んでしまうが、
勇気を出して話し始めた。

「私…Mさんの不倫で精神崩壊して…
 精神的苦痛とか、人間不信とか、色々あって
 体調崩して倒れたりしたけど…」
「うん?」
「うん…あのさ…」
「うん、どうした?」
「生理が止まった。」
「・・・」
「Mさんの不倫に気がついて、
 悩んで、苦しんで、ピタッと止まった。
 1年か2年か、しばらくしたらまた来たけど
 今は終わりの時に向かってると思う。」
「…知らなかった。」
「でしょうね。初めて話すし…」
「不倫されて、生理止まって、
 もう女でなくなった…と、その時は泣いた。」
「Aちゃんは女だよ。」
「…今更。」
「・・・。」
「私がMさんの不倫で失ったもの。
 愛情も、信用も、お金もあるけど、
 女としての自信…が、大きい。自信喪失…」
私は悔しいのと、悲しいのと、
色んな葛藤でまた泣いた。

夕方になり、薄暗くなった部屋に
赤い夕日の光が注いでいた。






「これからもAちゃんとC君の為に
 頑張っていくから。」
Mさんは、ごめんなさいの代わりに
努力の宣言をしてきた。


とりあえず…
ここは打算的にいくか。

年度末、繁忙期、私の仕事が忙しくなる。
Mさんの協力がないと困るのだ。

「ちょっとしばらくの間、
 早く帰ってご飯作ってくれる?
 私、残業が続くから…」
「分かった!任せて!」

ふふっ。交渉成立(笑)。


嫌な事も、憎い事もあるけど、
背に腹はかえられぬ…だ。