Mさんと言い合いになり、怒りもMAXで、
私はMさんの部屋をめちゃくちゃにした。
そこにMさんから「帰る」というLINEが…
この部屋…マズイ。
いや、勢いだったし…知らん!!
私はそのまま2階の自分の部屋に身を潜めた。
「ただいま。」
Mさんが帰宅した。
あちこち部屋を行き来する音がした。
私を探しているのだろう。
散らかってる部屋を見たのか…
物音がしなくなった。
そぉ〜と、Mさんのいる部屋を覗くと、
肩を落としたMさんがいた。
そして、書類を一つ一つ拾っていたのだ。
私はまた2階に上がり、ベッドに潜り込んだ。
大切にしていた物を壊してしまい、
お父さん、お母さんに怒られる〰️と、
震える子供のようだ。
そうか。
私はMさんの荷物を散らかして、
それを責められるのも、怒られるのも
嫌だと思っている。
Mさんも、裏切りや不倫も、
悪い事だったと分かってはいるけど
それを責められるのも、怒られるのも
嫌なんだな…
初めて分かった気がした。
しばらくするとMさんが私の部屋へ来た。
「Aちゃん、今度洋服買っていい?
新しいズボン買おうかな…」
Mさんは優しく話しかけて来た。
散らかした部屋の事は何も言ってこない。
そこがMさんらしい。
優しさではなく、面倒いから
敢えて、触れないのだと思う。
沈黙が続いたが、
私はベッドから起き出して、
背もたれに寄りかかり深呼吸してから話した。
「離婚するんじゃないの?」
私は質問返しした。
「…しないよ。」
「離婚するって、叫んでましたけど。」
「…しない。」
「慰謝料も養育費も払えないから
仕方なく、離婚しない選択にしたわけ?」
「違う。」
「ふーん。じゃあ何?」
「・・・。」
やっぱり金かよってセリフ、
そっくりそのまま返してやりたい。