ある日曜日。
息子のC君は部活に行き、
私は朝から掃除に洗濯…


やっとひと段落して、外出しようとすると
「あれ?どこに行くの?」
Mさんが私に声をかけてきた。
「イオンに行ってくる。」
「じゃあ、俺も行こうかな。」
「…まぁ、いいけど…」
と、言いながら私はMさんの姿を見て
慌てて声をかけた。

「ちょっ、ちょっと、洋服!!
 せめてズボン、着替えてよっ!」

履いていたズボンは日焼けで色がはげ、
ウエストのゴムも緩くて
いつもずり落ちると言っていた物だった。

「え〜、お気に入りなのに。
 面倒くさいからいいよ。」
「……は?」
「ん?何?いいでしょ?これで。」





たかが買い物でも、隣りに並んで歩くなら
少しは洋服に気を使えっ。
それは自分の為ではなく、
並んで歩く私に対してだ。
近所のスーパーくらいなら良いが、
ちょっと離れた大型ショッピングセンターなど
必ず誰かに会いそうな場所に
その格好はないだろう!
と、びっくりしたのだ。


「着替えて。」
私はただ一言だけ伝えて
着替えるのを待っていた。
「何で?」
「逆に何で?何で着替えない?
 そのズボン、やばいよ。よれよれだし。」
「うるせ〜なぁ。」


カチン。


私のスイッチが完全にオン。


武器を構えて目標を確認し、狙撃態勢に入る。
まさにそんな感じ。


つまり、ロックオン。


やってやる。