実家にお正月の挨拶に行き、
ダラダラと過ごしていたら
あっという間に夕方になっていた。


「そろそろ行こうか?」
「もう帰るのか…?」
父が少し淋しそうに言った。

もっと近くに住んでいたら、
私が働いていなければ、
毎週でも会いに行きたい。


以前、両親に話した事がある。
「あと10年くらい頑張って。
 私が定年したら帰ってくるから。」
その前に、呼んで一緒に暮らしたって良い。


私はMさんと出会った事で人生が変わった。
幸せになる出会いだったはずが、
幸せにはしてくれなかった。
両親と離れて、老いる親を支えてやれない。
とてももどかしい。



「また来るからね!」
そう言って実家を出た。


海岸線を走っていると、
「ねー、ママ、S君には会える?」
後部座席からC君が話しかけてきた。
「今、Uちゃんに聞いてみるね。」


S君とは、地元の友達Uちゃんの子供。
C君とは小さい頃から仲良く育った。
今はたまにしか会えないけど、
それでも会えば仲良く遊ぶ。


「一緒にご飯食べようって。良かったね。」
Uちゃんと連絡が取れて
みんなと食事する事にした。
他にも友達が来る事になり、
少し賑やかになりそうだ。


「久しぶり〜」
「明けましておめでとう〜」

早速、食事したり飲んだり。

当然この席にMさんもいるが、
みんながMさんに会うのは3年ぶりかな。


帰り間際、Mさんが席を立った時、
何となく、Uちゃんが話し出した。
「Mさん変わったね。
 変わったというか、元のMさんかな。」
「うん、そうかもね。
 あの時のMさんは彼女に夢中だったから…」
「今は仲良し夫婦に見えるけど…」
もう一人の友達が小さな声で言った。
「そう?早く死んで欲しいけどね(笑)」

笑いながら話すけど、嘘でも冗談でもない。


どーせ、また浮気するだろうし。