クリスマスが近くなっても、
私だけは、クリスマス気分にはなれなかった。

息子のC君は毎日
「あー、どうしよう。」
と、つぶやいている。

どうやらクリスマスプレゼントの
リクエストが決まらないらしい。

もう、サンタはお母さんだって知っているのに
まだねだるというのか?


「決まらないならもういいでしょう?
 サンタもギリギリになったら困るよ。」
私がそう言うと、
「いや、貰える物は貰っておかないと…」
涼しい顔して話すC君。

いつからそんないやしい奴になったんだ!

「テストの結果次第じゃない?
 サンタも順位によってプレゼントが
 変わるかもしれないよ(笑)」
私がちょっと笑いながら話すと
「悪いが、今回は自信があるよ♡」

なぬっ。

自分で自分の首を絞めてしまった…


「成績UPしたら、サンタさん
 豪華プレゼントにしてくれるかな?」
「サンタも生活あるからどうかなー。」
「・・・サンタの生活って、どんな?」
「・・・オフシーズンはバイトじゃない?」
「ふーん。ケンタッキーフライドチキンとか?」
「それ、カーネルおじさんね。」


こんなどうでも良い会話で
プレゼントの事も忘れただろう。
イヒヒ(笑)





と、そこへMさんが加わってきた。
「ねー、K町のイルミネーション行かない?
 クリスマスに花火が見られるんだよ!」

しつこい。

「それより、
 私へのクリスマスプレゼントある?」
私はMさんに聞いてみた。
「えっ?それはサンタにお願いしてみたら?」
まるで他人事のMさん。
「・・・サンタ?」
「うん、サンタに。」
「いやいや、誰かがサンタにならないと…」
「C君のプレゼントを買うついでに
 自分へも買ったらいいよ。」
Mさんは笑顔で答えていた。

誰が金払うんだっつーの。


「僕、プレゼント決めた!
 漫画にする。24巻セットで!」
突然、C君が話しかけてきた。

24巻!?

これ、誰がサンタになるんだろう…

トホホ…