休日の朝、目が覚めると、
隣りにはMさんがちゃっかりと寝ていた。
まだ、外は薄暗い。


「おはよう、起きた?」と声をかけられ、
少し動揺した。


Mさんはワンオクの曲を流して
私にその動画を見せてきた。

「ワンオクだよ♫」
と、得意気にMさんは言った。
「このグループがワンオクなんだ〜。」
私が関心して見ていると
「このボーカルは森進一の息子だよ。」
と、Mさんが教えてきた。
「さすが、歌手の息子さん。上手だね。」
無理して付き合う私。


1曲終わり、私的にはもう満足なんだが、
Mさんは次の曲を選んでいた。


「これ…Wherever you are ?」
私がMさんに聞くと、また解説してきた。
「うん、これは結婚式の曲らしいよ。」

「へー。」

もはや、“へー”しか出てこない(笑)

結婚式?
彼女と一緒になる、思い出の曲かな。


「Mさんが良い曲という楽曲は何が基準?
 歌詞とか?」
私は思い切って聞いてみた。
「うーん、メロディーかな。
 歌詞は聞いてないからなぁ。」


聞いていない!?
歌詞は無視!?


なんだ、それ。


「Wherever you areもさー、
 つい最近、内容を知ったんだよね(笑)」
笑いながらMさんが話した。


やはり、何も考えていない奴だ。


夫婦だからと言って、
全てを理解しているわけではない。
Mさんの乙女チックな所は知ってるが、
意外と雑な扱いもする。


もしかしたら、彼女を弄んだのか?
私にWherever you areを聴かせたたのも、
ただの気まぐれ?


まぁ、いいや。

Wherever you are
このワンフレーズを聴きながら、
私は二度寝した。