週末の土曜日、Mさんと外出し、
Mさんから質問された。

『失敗したって思ってる?』

その言葉は、私の頭の片隅に置かれていた。


失敗だよ。
間違いなく、失敗だ。

安定した生活は途切れ途切れ、
愛されているはずの人生に違う影、
信じていた毎日に裏切りの真実。

これのどこが幸せと言うのか。


モヤモヤしながら、
この日も、また一人で眠りについた。


昨年の秋に、やっと子供部屋を作り、
夫婦の寝室となるように模様替えし、
大きなベッドを夫婦で使うようにしたが、
一緒に寝たのは数えるほどだった。

Mさんが夜勤という理由もあるが、
ほとんどMさんはリビングで寝てしまい、
私は大きなベッドでゆったりと寝る。
それが、日課だった。






それなのに…
翌朝、目が覚めるとベッドの中から、
「おはよう!」と、Mさんの声がっ!

うげっ!
隣りを見ると、
こちらを見ているMさんがいた。
マジか〜。
私が寝た時はコイツまだリビングにいた。
いつの間にベッドに来たんだよっ!

と、まぁ…心の声は抑えて、
「お、おはよう。いつベッドに来たの?
 気が付かなかったな。」
私は少し怪訝そうに聞いてみた。
「夜中に目が覚めて、こっちに来た。」
「そうなんだ…」
休みの朝こそ一人でいたいのに、
隣にいると気になって寛げない。


私は、寝たふりも5分ともたず、
目が覚めたのでスマホをいじっていると、
隣にいるMさんのスマホから
何やら音楽が流れてきた。


「これ、良い曲でしょう?」
そう言って、スマホの画面を見せてきた。
YouTubeらしき動画だった。
「そうだね。誰?このグループ。」
と、私が聞くと、Mさんが答えた。
「ワンオク♫」
「・・・あ、そうなんだ。へ〜」


私の、この頭の片隅にある
“ワンオク” が蘇ってきた。


コイツ、何を考えている?
いや、何も考えていないかも(笑)