帰省する予定だった日曜日。
予定がなくなり、朝から暇だった。

「ねー、C君、今日は何するの?」
私がC君に聞いてみると
「今日も、明日も、僕に予定はない。」
と、私の質問に堂々と答えてきた。


春休みに入ってから、
友達とも遊ばず、家の中で過ごしている息子。

歩行距離はトイレまでだろうな。
1日の歩行距離は500歩くらいか?
ヤバイだろ。

学校が始まったら、このダラダラも終わる。
それまでだけど…


「少しは体を動かしたら?」
心配して、そう言ってみた。
「動かしてるよ。昨日も野球したし。」
C君はそう言うが、
今まで野球なんてやらなかったので
少し疑問になった。
「野球?どこで?」
「あっ、いや、えーっと。」
急にしどろもどろになるC君。
そして、やたらと襖の方をチラチラ見ている。

怪しい…

和室に近づいて見てみると襖が破けていた。

「あー、何これ?」
見事に野球のボールが当たった穴だ。
C君はシュンとしながら
「ごめんなさい!ごめんなさい!
 ちょっと投げたら…」

どこから教育したら良いのやら…
呆れて怒りもせず、淡々と話すと

「ママ?怒らないの?
 もっと怒られるかと思ってた!」
「怒っても仕方ないでしょう。
 襖を張り替えは、弁償はしてもうよ(笑)」
なんて、冗談を言って終わらせた。






それにしても、いつから野球をやっていて、
どれくらい出来るのだろう。


「何で急に野球なの?」
C君に聞いてみたら
「友達とキャッチボールやったんだ。
 面白かったから、少し練習したくて

 パパとこの間初めてキャッチボールやって、
 一人でもやろうと……思って…」
「なるほど。
 それで、この穴ね(笑)」


スポーツは父親が教えたりするのだろうが、
ウチは本来教えてあげる年齢の時に
Mさんが不倫中だったので、
野球は教えていなかった。


そういえば…
先日のWBCも、
C君は野球のルールも知らず観ていたので
私が色々と説明した。
その時に、
「Mさんが教えるべきじゃない?」
私がMさんに言うと
「自然と覚えるよ。大丈夫。」
笑ってそう言った。
いやいや、教えろやー!
と、ムカッとしたのを思い出した。


でも、初めてキャッチボールを
親子でやったんだ。
ふーん。


いや、マズイぞ、マズイ!

エネルギー有り余り、ストレス溜まった状態、
また家で襖とキャッチボールなんてやったら、
襖が水玉模様に穴が開く!


「ねー、野球やりに行こうか?
 お花見もしてなかったたし、
 公園に行こうよ!」
私はそう言ってC君を誘ってみた。
「えー、お花見とか面倒くさいよー」
と、言いながら…
しっかりグローブやバットを用意してきた。
しかも軽く歌を歌いながら、ご機嫌に(笑)

あれ?高校野球の歌かな?
良く知ってるなー。


桜が咲いている広い公園に行く事にした。
車の窓を開けて走っていると
桜吹雪に舞った花びらが車内に入ってきた。

春らしい陽気に気持ち良い。


ん?Mさんの鼻歌が…六甲おろし?

みんな古いよ、歌が(笑)