年度末、毎日仕事が忙しくて
お昼の休憩も取れない日が続いていた。
そんな、月の中にある祭日は
サラリーマンにとっては最高の休日!

そして、私はこの祭日に
ドラクエコンサートへ来ていた。

C君と運転手のMさんと。


会場近くまで来て、ランチを済ませ、
少し公園で散歩もして、ゆっくり過ごしていた。

いつもは何をするにしても時間ギリギリで、
バタバタするのに、今日は違う!

余裕たっぷり。
時間がまだあったのだ。







「そろそろ駐車場に入ろうか。」
Mさんが言った。
「そうだね。
 中でも待ち時間を楽しめるかもね!」

立体駐車場から歩いて会場へと入った。

まだ来場者は数人しかいない。
おかげで1番に並んで開場を待った。


「では、入場できますので!
 チケット確認します!」

会場のスタッフが大声で案内を始めた。
ドアが開いた瞬間、私の心もフワッとした。
ドキドキしながらチケットを渡して、

C君とソワソワしながら中へと進んだ。


「ママ、スライムがいる!」

「うん、見た見た!」

なんて、小さな声で話しながら
ホールの中へ入り、
座席を探して、呼吸を整えた。


ステージにもスライム発見♫

「まだ混んでないから、今のうちに写真!」
そう言って私とC君は写真を撮りに行った。






それからはCDを買ったり、親子でウロウロ。
Mさんはちょっと昼寝。
座席でウトウト。
よくこのざわざわした会場で寝られるな(笑)


やっと時間になり、
会場の明かりがゆっくりと消えて、
ステージだけが明るくなった。


奏者の方が席に着くと、
コンマス(コンサートマスター)が来て
音を合わせ始めた。

「ママ、これ何してるの?」

コンサートが初めてのC君。

私は学生時代に吹奏楽をやっていたので、

あれこれ教えたりした。



指揮者が登場し、大きな拍手。

すぐに1曲目が始まる。
指揮者が大きく腕を振り、
流れた曲は…


『序曲』だった。