卒業式当日。
家族3人で学校へと向かった。


昇降口で、C君と別れて、
私とMさんは体育館へと行き、
受付を済ませた。



体育館の中へ入ると、
立派な壇上(ステージ)が目についた。
保護者席へと座るとMさんが声をかけてきた。
「見て!Aちゃん!モニターがあるよ!」
そう言われて、職員席側の方を見ると
大きなモニターがあった。

ここはLIVE会場か??

最近の学校は進んでるなぁ。


3年ぶりの本格的な卒業式。
来賓や在校生も出席、
保護者の出席人数の制限もない、
体育館いっぱいの座席が埋まった。


9時30分 卒業生入場。
担任の先生を先頭に、大きな拍手の中、
威風堂々の曲に合わせて、
ゆっくりと卒業生が入場してきた。

いた、C君が入って来た!

顔が緊張してるなぁ(笑)


全員が入場すると、卒業証書授与式となった。

名前が呼ばれてから席を立つのかと思ったら、
一人一人、間隔を開けて、順番に離席し、
壇上へと向かうのだ。
途中、来賓にきちんとお辞儀をしたり、
90度でしっかりと曲がったり、
美しい姿の卒業生。
壇上に登ったところで名前を呼ばれ、
校長先生から証書をもらう。

ここで、モニターを見ると、
我が子の卒業証書授与の姿を
確認出来るというわけだ。


校長や来賓のお言葉も終わり、
卒業生の言葉と歌になった。
『旅立ちの日に』の合唱。

コロナ禍で、歌すら歌えなかった子供達。
本当に良い声で歌っている♫


いよいよ、最後に保護者代表挨拶。
想いが込められた内容だった。

-------------------
重そうに背負ったランドセル姿の一年生。
学校が廃校、他地区と統合により
バスで通学する事になった二年生。
心のケアに務める大人達。
やっと馴染んだ頃からコロナ禍となり
登校できなくなった。
行事は中止、給食は黙食、音楽では歌えない。

水泳も最後まで出来ず…

騒ぎたいだろうに、はしゃぎたいだろうに、

距離を置かなければいけない。
それでも、六年生になり、数時間の運動会、
校外学習、宿泊学習などができた。
先生方には感謝しかありません。
-------------------

泣きながら、読み上げる謝辞に
私も目を潤ませた。


コロナかぁ。

コロナの少し前からMさんは不倫をして、
毎晩午前様。
「どこにいるの?」
「まだ仕事なの?」
そんな心配をしていた頃を思い出した。

悔しいな…

コロナだから「濃厚接触に気をつけて」と
Mさんによく言っていた。
まさか、彼女の家に通い、
濃厚過ぎる事をしていたとは…

本当に悔しい…


C君、ママを支えてくれてありがとう。
生きていてくれてありがとう。

そんな想いが込み上げ…
ふと、横にいるMさんを見た。


え?
まさか?
嘘でしょう?

「ずっ、うっ、ぐふっ」


泣いてる!?