給湯器が壊れて、
しばらくスーパー銭湯の日々。
キッチンでの洗い物はゴム手袋をしているが、さすがに真冬の水はかなり冷たい!

昔の人はこんなに冷たい水で洗っていたのかと
改めて感じて、親の有り難みをも感じ…
それを息子に分からせようとした。

私の冷たい手を、こたつでぬくぬくしている
C君の頬に当ててみたのだ。

「C君?やぁー!冷たいでしょう(笑)?」
私的にはコミュニケーションのつもりで。

すると、C君はガチで
「何すんだよ!ふざけんなっ!」
「・・・」

沈黙。

え…?
な、何で?
そんなに怒る事??

手だけではなく、
身体まで冷たくなるくらい、
『ヒュ〜』と家の中に風が吹いたような感じ。

完全に反抗期らしい。


「あ、ごめんね!驚かそうと思って…」
そう言って、私はストーブにあたり、
冷たい手を温めた。


反抗期なんだよな…成長の証だ。
そう、成長してるのよね。
子育てって、難しい。
悲しいけど…仕方ない。







翌日、約束していたガス会社の展示会へ
C君と出かけた。

目当ての給湯器の場所へと進み、
ガス会社の人が説明し始めた。

ぶむふむ。
なるほど。

ん?うーん。
でも説明しているのは、50万円の給湯器。

「あのー、その給湯器の素晴らしさは
 バッチリ伝わりました!
 で、こちらの10万円の方を
 説明して頂けますか?」

と、私は遠慮なく聞いた。
そうでもしないと、
50万円の契約になりそうで怖かったのだ。

ひと通り、説明を聞いて、
私は給湯器の前で、
どうするかなぁ…と悩んでいた。

ふと、横を見ると、焼きそばコーナーで
腕組みをして、何か悩んでるC君がいた!
「あれ?どつしたの?」
私が声をかけると
「どっちにしようかなぁ…と思ってさー」
と、C君が答えながら見ていた先には
マヨネーズと、生姜があった。
「はい?君は何に悩んでいるのかい?」
私が聞くと、C君が答えた。
「2つ、焼きそばもらえるんだよ。
 ママと僕の分。」
「うん、そうみたいだね。…で?」
「トッピングができるんだよ。
 僕はマヨネーズにするけど、
 ママは何が良いかなぁと思って。
 マヨネーズは太るからやめた方がいいよね。
 僕みたいに痩せてる人は
 マヨネーズかけてもいいけど。
 ママはちょっと、おデブさんだからな。
 ママの焼きそばは紅生姜にしておくよ。」


軽くディスられた。

何なんだ〜!
C君の刺々しい言葉にズタボロの私。


「給湯器、決めた?」
C君に声をかけられて、我に返った。
「あ、そうだ。給湯器!決めてくるね!」


一週間後の取付が可能との事だった。
良かった!
半導体不足の時に
給湯器が買えない騒ぎがあったから
どうなるかと心配だったけど。

見積書を出してもらうように頼んで
C君と帰宅した。


「焼きそば食べようよ!」
私がC君に声をかけた。
「ママは紅生姜の方だからな!
 マヨネーズは太るからな!」

まだ言ってるよ、コイツ(笑)