私が休日出勤した日、
誰かと会っていたMさん。

何度も聞いてはみたが、Mさんは無言だった。



Mさんは都合が悪くなると、
こちらの話は全く聞かなくなる。
そうなると、私も面倒くさくなり、
追求しなくなる。

Mさんはそれが狙いなのかもしれないが…


私は年末からずっと仕事が忙しく、
昔ほどMさんを探る気にならなかった。
特に、12月と1月は会社の試験もあり、
脳みそがぐちゃぐちゃになりそうだったのだ。


お互い仕事しているのだから、
私ばかり「助けて」と
日常生活に援護を求めるのはいけないと
つい、一人で限界まで頑張ってしまう。

それが私のいけないところなんだよな…
分かってはいても、
最後には一人でイライラしてしまう。


もし……
またMさんが浮気をしているなら、
きっと私のそんな部分が嫌なのか、
私が何も言わないから遊ぼうとしているのか、
私はMさんをそんなふうに見てしまい、
信じようとは思わなかった。






2月に入ったある日、
お互い休日の朝の事だった。


クイーンサイズのベッドの端と端に寝ていると
話したい時に近づき、
話したくない時は端に離れて寝られる。
それがとても便利だと、
一緒に寝初めてから、そう思うようになった。


この日も端にいた私が目を覚ますと
Mさんが声を掛けてきた。

「Aちゃん、おはよう。
 今日は何する?」

疲れているからあまり外出はしたくないが、
どこかに行きたいのか??

「おはよう。
 今日C君は友達の家に遊びに行くって。
 私は家事が終われば用事はないけど。」
寝起きで、まだ脳が覚めていない中、
モゴモゴと答える私。
「そっか。
 じゃあ、出かけようか。
 一緒にランチしよう。
 フランス料理からパスタ屋に代わったお店が
 Aちゃんの会社の方にあるんだよ。
 行ってみようよ。」
朝からハイテンションなMさんは
ウキウキしながら誘ってきた。
「う、うん…良いけど…」
そう答えるしかないような…感じ。

「朝ごはんは俺が作るよ!
 ほら、起きて!」
そう言ってMさんは寝室から出て行った。


何だろう…

そんなオシャレなお店に誘うなんて。

無気味…
というか、謎。