Mさんが40℃の熱を出して
その看護をしている中で、
ふと、自分も咳が出ている事に気がついた。

あれ?
ただ、むせただけかな?
連続して出るわけではなく
何となく咳込んだだけのような…








翌朝。
Mさんは変わらず、高い熱。

私は熱はないが、少し身体がだるいような。

でも、今はMさんだ!


朝早いけど総合病院へ電話してみた。
ここも電話繋がらないだろうな…
そんな諦め気分で、
呼び出しコールを聞いていた。
「はい、○○病院です。」
おっ。
「発熱外来にかかりたいのですが!」
1回で繋がった電話に
私は興奮気味に話しかけてしまった。
「受け付けてはいますが、
 別料金がかかりますよ。
 時間外として7,000円になります。
 プラス診療とお薬がありますから…」

え?別料金?
ん?うーん。
福沢諭吉がパタパタと飛んでいく
妄想が止まらなかった。

「ちょっと…また電話します…」
私はそう言って、電話を切った。

あ、電話切っちゃった!
見殺しにした訳ではないのだが…



隣りの市の休日当番医はどうだろう。
あれこれ調べて、また電話。
やはり町医者は電話が殺到してるのだろう。
なかなか繋がらない。
何度もかけ直して…


おっ。
繋がった。

「発熱してるのですが、受診できますか?」
昨日は予約がないと受診できないと
アッサリ断られたので恐る恐る聞いてみた。
「大丈夫ですよ。
 車で待機してもらいますが、
 お越しください。」

あー、なんという幸せ。

Mさんが受診出来るという意味ではなく、
この優しさ溢れた病院に幸せを感じたのだ。

Mさんはどうでもいい。


「Mさん、病院見つかりました。
 行きましょ・・・」
私は、和室の襖を開けながら
Mさんに話しかけたつもりだが、
そこにMさんの姿はなく…

ん?
どこに行った?

トイレ?洗面所?
あちこち探してリビングを見てみた。

え?

「寒くて…コタツに入りたくて…」

そこには、なんとっ
グッタリしているMさんが
マスクもせずに、呑気にコタツに入っていた。

「ママ、パパがこっちに来た。
 やばくね?」


こいつー!!
マジで殺意しか湧かない(笑)