鎌倉へ遊びに来ていたが、
帰りになると、横浜へ行きたがるC君。

「何で横浜に行きたいの?」
私は早く帰りたくて、理由を聞いてみた。
「うーん。ポケモンセンターに行きたくて…」
モジモジしながらC君が話してきた。

すると、Mさんが
「いいよ。横浜経由で帰ればいいし、
 行こうか?」
と、優しさいっぱいで答えた。
「ありがとう!パパ♡」


あ〜あ。

Mさんの点取り、成功じゃん。
しかも♡付いてるっ!


最近、本当にC君に甘い。
叱らないし、お土産も欠かさないし、
わがままだって聞いてあげてる。

お土産がC君の好物だったり、
Mさんがプラスαの事をしてあげようものなら
加点が付いて、出来栄え点となる!

ん?
フィギュアスケートかよっ。


とにかく、
Mさんの父親としての態度が納得いかない!
子供がどんなに悪い事をしても、
絶対に怒鳴ったり、叱ったりしない。
不倫をしたという負い目なのだろうが、
そこは違うだろっ!と言うけど、
「C君、ダメだよ〜」なんて、
可愛い叱り方…

私とはバトルするくせにっ!





迷いながら何とかポケモンセンターに着くと、
嬉しそうにデパートの中へ入って行った。
カードゲームのグッズをいくつか選び、
満足そうにレジに並ぶが、
これを誰が払うのかと、
3人で商品を渡し合っていた。

「え?誰が払うの?」
「いやいや、私は払わないよー。」
「僕、お金ないよー。」

そんな会話の中、
結局じゃんけんで私が負けた……

えーーー。
確か、今日って、私の誕生日だよね??


C君こそが、私にとって『モンスター』だ。
ポケットに入るくらい小さくはない
ビッグサイズのモンスター(笑)
可愛いけどね。


それから、高速で一気に帰宅。
スカイツリーの真横を進み、
流れる景色と、街の灯りを眺めていた。

Mさんとの壁がなければ、
もっと普通の男女間のように
輝く景色を「綺麗だね」って語れるのに…


ロマンチストのMさんは彼女と
あちこちのイルミネーションを見に行った。
それを知っているからこそ、
語りたくはない…そんな私だった。

でも、素敵な誕生日に感謝して
「ありがとう」と呟いてみた。