C君のいない気まずい夜から
何事もなかったかのように、
私達なりの家族の在り方で過ごしていた。


10月の後半に入り、
本業とは別の仕事を抱えてる私は
少し忙しくなってきた。
イラストレーターとして
チラシやパンフレット制作をして、
お仕事を頂けるのは嬉しい事だけど…
納期に間に合うか必死だった。


我が家には、リビングの隅に
陽当たりのよいスペースがある。
そこが私の家での仕事場。
パソコンを置いて、集中して作業する。




この日も、仕事が忙しくて、
私の顔から笑みが消えた訳ではないが、
Mさんはやたらと心配してきた。

「Aちゃん、大丈夫?
 最近、顔色も悪いし、笑わないし…
 少し気分転換したらどう?」

笑わないのは貴方の前だけで、
会社ではガハハ笑いをしてますよ。

「大丈夫。
 修正案まで出せたら一休みするよ。」
そう言って、また仕事に取りかかった。


週末はとにかく忙しい。
溜まっている家事をして、副業もやって、
家族で過ごす時間も作らないといけない。


少し休憩をしようと珈琲を入れていると
Mさんが話しかけてきた。

「Aちゃん…?
 来週末は出かけられる?」
「あー、うん…何で?」
私は少し曖昧に答えた。

すると、少し困った様子でMさんが言った、
「Aちゃん、来週…誕生日だよ。」
「・・・・・あっ、そうだった…」
「忘れてたの(笑)?」
「…うん。
 また天国への階段を一段上がるんだ…」
「それは大丈夫だよ。
 Aちゃんは不死身だから!」

ハァー?お前に言われたくない!

「Aちゃん、どこか行きたいところは?
 もしAちゃんが有休取れるなら
 誕生日に外出しようよ。
 僕も有休取るし。
 ダメなら週末でいいし。」


珍しいな。
誕生日は、いつも
適当に外食して終わりにするのに…


珈琲をひと口飲んで考えた。
「鎌倉…行きたいな。
 鎌倉殿の13人のさ、ドラマ館に行きたい。」
私が呟くように話すと、
Mさんがキラリと輝く目をして言った。
「あっ!そうだったね!
 行きたいって言ってたね!
 よしっ、決まりだ!鎌倉にしよう!
 日帰りで行けるし、良かった良かった♪」


なんと、まぁ。
Mさんのスッキリした発言。
“考える手間が省けてラッキー♫”
という、幸せの笑みだろう(笑)

やっつけ感が出てますよ!


ところで、何人で行くつもりなんだろう。

私は夫婦だけで行くより、
C君も一緒に連れて行きたいんだけどな。
子供は私達にとって、今は重要な存在。
緩和剤というか、火消し人というか(笑)。
あの子が居ないと、
まだMさんともぎこちない。


行くかな?C君。

お小遣い、要求されそうだな(笑)