7月7日。
よく晴れた朝。
でも、私の心は雨だ。
それも、台風が近づいているような荒れ具合。


世間一般では今日は七夕だ。
織姫と彦星が一年に一回、会える日。
ついでに言うと…
私とMさんの結婚記念日。
そして、契約更新日でもある。


どうするのか?
確認したくても、ここ数日、
Mさんは帰宅が遅く、
私もあれこれ忙しくて話も出来ないでいた。

それに、あの詩の事もある。

私の中では、更新は無い。
そう思っていた…





今日は久しぶりに
友人と昼間、お茶をする約束をしていた。
彼女はW子ちゃんと言い、
出産の為、退職してしまったが
昔の同期の女の子なのだ。


「久しぶり!」
カフェで待ち合わせをして
懐かしい話をして、ケラケラ笑う2人。


彼女はMさんの悪事について知っている。

「あのさ…W子ちゃん。
 これ、見てくれる?どう解釈する?」
私は、Mさんの謎の詩を見せた。
「え〜っ、これMさんが書いたの?
 相手の女を想っての、詩?ポエム?だよね。
 こういうの、残さないで欲しい!
 心で想うのは自由だけど、残すのはナシ!」
W子ちゃんは私に気を使いながらも、
驚きを隠せず、正直に話してくれた。
「そうだよね、やっぱり女を想ってだよね…」
私はそう言うと、珈琲を一口飲んだ。


その後も、
彼女とは『夫婦の在り方』について
色々と話した。
離婚のタイミングは?
夫婦って何だろう?
答えなど出ない議題について語る、
オバさんあるあるだ(笑)


しばらくすると、
お子様のお迎えがある彼女は帰り、
私はそのままカフェでパソコンを広げ、
少し仕事をした。
でも頭の中は、
あの詩と今日の記念日の事でいっぱいだった。


Mさん、忘れているのだろうか?
まぁ、逃げている…ともとれるな(笑)



夜になって、Mさんが帰宅した。
私と子供は夕食を済ませて
くつろいでいたところだった。
「ただいま、ごめんね、遅くなって。
 ケーキ買ってきた!」

ん?ケーキ?

「何?どうしたの?」
私がMさんに聞いたと同時に
「うわ〜、ケーキ!やったー!」
C君がケーキに飛びついていた。

私がお皿とフォークを用意していると、
カウンター越しにMさんが話して来た。
「今日、結婚記念日だよね。
 仕事が片付けられなくて遅くなったから
 今日はケーキだけで…
 週末にちゃんとお祝いしよう。」


なるほど。
週末に、延期ですか。