秘密を明かされ、話を聞きたくても
Mさんは毎日帰宅が深夜、
朝も早くて、
3日間は、すれ違いだった。

気まずくて、早く帰れないのだろう。
こんな事態で、彼女と会っている?
それはないよな…。
そこもまだ気になっていた。

会えない間、考えてた。
カードは使わないようにして、
お小遣いも足りない、
それで不倫…
確かに借金するしかないよね。

Mさんの良い所は優しい人。
穏やかで、いつも温かい。
面白くて、一緒にいて飽きない。
悪い所はだらしない。
整理整頓は出来ないし、
浪費癖はあるし、
管理してないと、物は増え続ける。

私の休日はMさんの持ち込んだ
荷物の整頓で明け暮れる。
ストレスが増えた頃から、
Mさんに怒る事も多くなり、
疲れているから、夜の誘いも
断りがちになってた。

あー、私のせいだな。
もっと優しくすれば良かった。
もっと話を聞くべきだった。
そんな自己嫌悪の日々だった。

3日間、Mさんに電話をするが、
留守番電話になってしまっていた。
やっとMさんと電話で話せる日が来て
借金について聞いた。

「金額は?目的は?」

何百万円という凄い金額ではない。
まだそこは良かった…と安心した。
いや、安心する意味が違う!
私まで頭が変になりそうだ(笑)

仕事で必要な物があった。
会社の人と食事したり、
ゴルフに行っていたと話してきた。

それは、嘘ではないだろうが、

「そこに、彼女とのデート代も
 もちろん含まれているよね?」
と、私はMさんに聞いてみた。

「デートなんかしてない。」
と、Mさんは言った。

そりゃ、そーだ。
素直に答えるはずはない(笑)。
そんな事は私も分かってる。
でも言わずにはいられなかった。

Mさんは、いつものように、
早く話を終わりにしたい、
早く逃げたいという様子で

「自分で何とかするから!」
と、一方的に電話を切った。

改めて感じた。
この間、Mさんが言った
『弱いかった』の意味。
不倫だけじゃなく、
借金も含めてだったのか…
点と点が繋がった。

女が貢がせたのか??
段々、女が憎くて仕方なくなった。

とにかく、
この借金を何とかしないとっ!

私はこの時、初めて後悔した。

あー、あの時、手術を
受けさせるんじゃなかった…
すっかり元気になっちゃって、
絶対、長生きするねコイツ(笑)。

と、思いながらも…
ぽっかり空いた私の心が泣いていた。

Mさんに…会いたい。