2006年の今敏監督アニメ映画。
原作は1993年、筒井康隆著。
・夢と現実が交錯する原作の世界が、フロイトやらユングやらの理論を持ち出すまでもなく、見事にビジュアル化されていた。
・登場人物を整理するために能勢と粉川を統合したのは良かった。
・ノーベル賞がらみのエピソードをばっさり切ったのも、スッキリして良かった。
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・原作では、こじらせ精神病理学者である副理事長が、所長兼理事長を排除しようとするという構図だったのに対し、
映画では理事長が「主犯」で、雇われ所長を排除しようとするという構図に変えてたが、
理事長という立場ならそんな手段に訴える説得力に欠けるでしょ、と思わざるを得なかった。
・主犯の「動機」を21世紀的な問題に変えていたのは、時代に合ってたが、動機としてはちょっと弱くないか?
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・原作では化粧して着替えてた――つまり現実世界にしっかり存在していて、
何のためだか分からなかった(男の患者を喜ばすためとしか思えなかった)パプリカが、
映画で脳内別人格であるかのように描かれていた点は良かった。
・筒井さんの女性像が1960年代から変わっていないとしか思えないのが鼻につく原作
(「言葉狩り」に抗議して「断筆宣言」した頃だったから「敢えて」なのかもしれないけど)に対し、
映画にそういう点を感じなかったのは良かった。
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・全体として、原作がちょっとブラッシュアップされた印象。
