会社でのこと。

数日前、新しい仕事にチャレンジして無事にやり終えたと思っていたんだけれど、今日、一部分が抜けていることに気づいた。

原因はわたしが作った仕事の手順(ベテランさん2人にも確認したし、この方法で大丈夫だと思ったんだけどなぁ)に漏れがあったのだ。

失敗に臆病なわたしは、ミスに気づいた直後に頭に血がのぼり、同時に今まで聞こえていた社内の喧騒が遠くなり、そのあと思考が停止した。(頭が真っ白になるってこういう状況なんですね)

思考停止はたぶんほんの一瞬で、、、遠い喧騒を聴きながら「大丈夫、どうにかできる」、と頭の中でわたしは呟いていた。

この失敗は今回のチャレンジの中に含まれていたものできっとどうにかなるし、どうにかできる。

と思ったら、現実世界に自分が戻ってきて、焦りつつもなんとなく楽しくなってきた。

そして、落ち着いて、これから何をやるべきかを考えることができるようになった。



今の一部が欠けた状態からあるべき状態に持っていく為にできることを全てやり、あとは待つのみとなったところで、昼休憩を取ることにした。

落ち着かない時はとにかく歩くに限る。

会社を出てただひたすら歩き、15分ほど経つと見慣れぬ景色になっていた。

知らないところににいる自分を認識した時、やっと肩の力が抜けて、息を吸うと冷たい空気が胸いっぱいに広がる感覚があった。

少し先の方に古いビルとその一階に控えめなカフェの入り口が見えた。

引き寄せられるようにカフェの入口をくぐり、長いカウンターの脇を通り抜け、突き当たり奥の窓から差し込む光に導かれるようにして、壁際のテーブル席に腰を下ろした。

お客さんは離れた席に2名いるだけで、店内は静かだった。

わたしはそこでほんのり甘いミルクティーを飲んだ。失敗にもめげずよくやっている自分を労りながら。