南知多ビーチランドと言えば、幼少の頃に家族と行った思い出がある。イルカショーでは希望者はイルカと直接握手できるチャンスがある。だが、多くの子供が希望するため、ステージ上の飼育員のお姉さんが手を挙げた子供の中から数人を指名する運びとなることが多い。当然、私も手を挙げた。一見、無作為に選出されるように見られるが、人間が人間を選ぶ過程では、そこに作為の入る余地が必ず存在する。そのことを熟知していた母は私に派手な赤服を着させていた。ステージからは、すぐさま「そこの赤い子」とお呼びがかかった。