ロンドン19日=佐久間賢治】韓国の5人組ダンスボーカルグループ、SHINeeがアビー・ロード・スタジオで日本メジャーデビュー記念イベントを開催した。ビートルズがほとんどの楽曲をレコーディングした同スタジオで、アジアのアーティストとして初のライブを敢行。1000人を超えるファンが駆けつけ、関係者が「ビートルズ以来」という大フィーバーを巻き起こした。

ビートルズばりにポーズを取るSHINee

 創設80年の歴史を持つアビー・ロード・スタジオ前に突如として巻き起こった黄色い歓声が、行き交うバスのクラクションをかき消した。

 ライブを見られない1000人以上のファンがサク越しに「We Love SHINee!」と声をひとつにする。その半分近くは現地在住の英国人、もちろん韓国人、日本人も駆けつけた。

 ミンホ(19)は「(招待客以外は)非公開だったので申し訳ないけど、温かい出迎えを受けてありがたい」と感激しきり。ロンドン市警から最上級の警備体制を指導された同スタジオは、通常10人の警備員を25人に増やして配置。それでも早朝から押し寄せる群衆に、スタジオ関係者は「ビートルズ以来の大フィーバーだ」と舌を巻いた。

 舞台裏では直前まで、イベント自体が危ぶまれた。18日にメンバーが現地入りし、リハーサルもこなしたが、翌19日朝になってジョンヒョン(21)が40度の高熱で出演が絶望となった。開演1時間前まで4人でダンスや歌唱を練り直し、なんとか開催にこぎつけた。

 130人の招待客の前で5曲を歌い踊り、ラストに点滴と解熱剤の治療を受けたジョンヒョンがステージへ。ようやく5人がそろい、22日発売の日本デビュー曲「Replay-君は僕のeverything-」のアコースティックバージョンを披露した。

 彼らと全世界での活動を視野に入れた契約を結んだEMIミュージックのデービッド・キャスラーCEOは、バリエーション豊かな音楽センスにほれこみ、「興奮した。彼らは世界に進出できるアーティスト。これから戦略を話し合います」と目を細めた。

 ライブ会場は、ビートルズが1962年から70年までレコーディングに使い、数多くの名曲を生み出した「studio2」。ロビーに連なる世界的ミュージシャンの写真に目をやり、キー(19)は「ボクらも写真が飾られるよう世界に羽ばたきたい」と意気込んだ。20日に同所を再訪し、レコーディングに臨む。思わぬアクシデントもプラスに替え、まずは日本から地盤を固めていく。


(Yahoo ニュースより)