会計士協会の会員専用ページを見ていると毎月”会員の懲戒処分”についてのお知らせが掲載されている。

 

これを見るたび身が引き締まるのだが、最近の懲戒処分を見ていると疑問というか懸念することがある。

 

それは懲戒処分の対象事案が古いことである。今月掲載されている事案では平成14年から平成18年までの五年間のもので直近の事案でもすでに12年以上経過している。私の元上司も10年前の監査で処分されている。

 

私が懸念するのは処分を決定するにあたって、現行の監査のあるべき姿を当てはめていないかということだ。10年も前の監査環境は今とは大きく異なり、監査が緩かったと思う。10年前も監査の強化が叫ばれていたが今ほど厳しくはなかったと思う。

 

そのような当時の監査環境の中で一般に公正妥当な監査手続を行っていれば懲戒処分を受ける必要はないと思うのだけれど、現在の一般に公正妥当な監査手続に当てはめて処分するかどうかを決めてしまうとすれば酷な気がしてならない。

 

当時の監査環境をおもんばかることの難しさは理解できるが、会員の一生を左右しかねない懲戒処分だからこそ、そのようなことも踏まえて行ってもらいたいと思うのだ。

 

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