リスクを評価する際に3つの観点でおこなうことを、お昼に書きましたがその続きを書きたいと思います。

 ①勘定科目の性質でリスクが高いのは一般的に見積を伴う勘定科目や、粉飾決算でよく用いられる売上や棚卸資産といったものがあげられると思います。見積をが必要となるケースには引当金はもちろん固定資産の減損、繰延税金資産の回収可能性といったものがあります。これらには経営者の主観や恣意性介入の余地が高いため、リスクの検討をすると多くの方が列挙する項目であるように思います。

 ②リスクが発生する頻度(監査法人のマニュアルは海外ファームのマニュアルを翻訳したものなので、翻訳がわかりにくい場合があります。)①の例でいけば、固定資産の減損や、繰延税金資産の回収可能性は大雑把に言えば利益が出ている場合にはそれほどリスクを感じる項目ではありません。しかし、経営者は業績予想をしていますから、その水準に売上なり利益を操作しようとするインセンティブはままあります。業績予想から上ぶれしても下振れしても、企業の予算の精度に市場からは疑問符をつけられることがありますので、業績予想に近づけたいというのが、経営者の心情のようです。そのように考えると売上や、在庫といった項目はリスクが発生しやすい項目であるといえます。

 ③リスクが顕在化したときの影響が巨額となるときにはリスクが高い項目であると判断します。一時新聞でも大きく取り上げられましたが、繰延税金資産を取り崩すとなると一挙に何百億という損失を計上することもあります。極端な例をあげましたが、要は財務諸表に対するインパクトが大きいかどうかという点で判断します。

以上、書いてきましたが、正直なところリスクの適切な評価をすることや、網羅的な検討というのは非常に難解な作業です。有効かつ効率的なリスクの評価というのはかなりの経験値が必要となるのではないかと個人的には思います。私もまだまだ相当の修行が必要だなーと思う今日この頃です。