今週は月曜日からアドバイザリー業務で会社にお邪魔していました。監査法人にいてもたまにこういった類の業務があります。今回の会社は上場もしてませんし、会社法監査の対象ともなっていませんが、比較的会社の規模が大きいため、体制強化のため何か有益なアドバイスをくださいといったような内容です。とはいってもこれではテーマが漠然としすぎているので、会社から今年はどこを見てほしいというリクエストに応じて作業を行います。

 今年のテーマのひとつに資金関係のチェックがあがっていましたので、監査論でもおなじみの実査をしました。実査の対象は現金、有価証券、手形、小切手等です。これらの実査対象物には明細があり、現金であれば金種表といったりもします。これらと帳簿の一致を確認したうえで、実査を開始します。最近は企業の小口現金は減少傾向にあり、また、現金を持つ必要性低下していることから、それほどの大金を実査することはありませんが、少し前までは結構な金額を小口現金で保有している会社もあり、このような会社でお札を銀行員みたくかっこよく数えられると「おーっ!」といわれることもありますが、会社の方も相当になれているので、少々早いくらいでは驚かれませんが・・・ 

 どのくらいの現金を会社に保有しておくかというのは会社によりますが、出張旅費の仮払用に数十万ほどもっておくことがわりと多い気がしますが、不動産業等では急な買付資金が必要になることもしばしばあることから、数千万単位を日々、金庫内に保管している会社も存在します。

 また、海運会社では自社で保有している船に現金を乗せているため、船に乗っている現金が非常に多額であり、本社にある現金の実査ではカバー率が1%に満たないこともあります。

 さらに金融機関ではどうかというと、現金は数えずに行員さんが数えている様子を観察するか、サンプルベースでカウント終了後の札束を自動カウンターで枚数確認を行うこと等の方法で実在性を確認します。

 現金実査と一言で言っても業種によってやり方も金額もさまざまなんです。いろんな業種に言ってみるとその違いがわかって楽しいですよ。


 とりあえず、今日はこのくらいにしておきます。