主治医へのセカンドオピニオンの予約をする。

 

はたからみれば簡単な事。

 

でも、病院の内部事情や、医者という生きものの性向を知っている妻は、かなり考えた結論として選択した。

 

テレビドラマのドクターXで、見かける院長回診とかの大名行列や「御意」なんてのはさすがに聞いた事がないと言ってたけど、基本的に医者は自分が一番偉いと考えているような生きものという理解。

 

もちろんそうでないお医者さんもいっぱいいるのは知っている。

 

けど、結構な確率で、「私失敗しない、つもりなので」と思ってるお医者さんがあちこちにいるのを知っている。

 

 

 

 

院長によ、セカンドオピニオンを言い出すって、院長のプライドを傷つけるでしょ?

 

 

 

患者なのに、ステージ4なのにそんな事を気にする、苦労性の妻。

世の中には、いくらでもわがままを言う患者も、常識のない事を要求する患者の家族もいる。

だから、知らないふりして聞くこともできるのに。現に自分が医者に「~が分からないからもっと詳しく教えてほしい」というつもりでいた。

 

 

 

でも、医療現場で働く妻は、患者や患者の家族のびっくりするような態度や発言が反面教師として見えていることもあって、あまりわがままっぽい事は言いたくないという。

 

 

 

セカンドオピニオンはわがままじゃないよね。だってこの間のICがちょっと不十分だったから、いや、家族としてはその準備の出来てなさに不安を感じるからなんだけど、詳しく別の人の目で観てほしいだけなんだから。

 

 

 

ここまで考えるのは考えすぎかもしれないけども、セカンドオピニオンは強くお勧めする反面、躊躇する理由もあるのです。

 

 

 

そして、セカンドオピニオンをお願いする当日。

 

 

 

妻は、前回のICの時のことやいろいろこれまでの事などすべてを言葉に出して説明した。

 

 

 

主治医も、「前回は説明が不十分ですみませんでした」と謝ってくれたそう。

そして、「セカンドオピニオンの為の紹介状を書くのも問題ないです」と言ってくれたとの報告。

 

ただし、さすがに院長。「私がセカンドオピニオンを依頼する先は、県下でも有数なトップクラスのドクターを紹介します」との事。

 

 

 

 

「いや、やっぱり院長だからさ、格下の病院にはセカンドオピニオンの紹介状は書けないよね」と夫婦で笑った。

 

 

 

結論としては、手術日程の事、また今回全部の心配事、思いなどを全部伝える事ができたのと、切除後は厚生労働省のガイドラインに則った抗がん剤治療をステップごとに行っていくことになるのはどこの病院でも変わらない事、また治験での対応はすべてをやりつくしてからになる事などを考えて、セカンドオピニオンはとらないことにした。

 

 

 

 

要するに、納得感。

 

 

 

でも、納得したからと言って、がんがなくなるわけでもなく、小さくなるわけでもない。いまは一日でもがん細胞の増殖が遅れる事。本人の体調を悪くさせずに、手術日を迎える事しかない。

 

 

 

相変わらず、痛みに耐えながら手術日を待つ妻には、「頑張ってるね。もう少しだね」と言うぐらいしかできない。

 

 

 

家電が故障したら修繕し、建具の具合がわるければ調整し、たいていの事はなんでもやってきたが、肝心の妻の病気に対しては、何もできない無力さ。ただ手術日を待って、抗がん剤治療の毎日を過ごす妻に、言葉をかけるだけしかできないという現実。受け入れる以外に選択肢がない状況。妻にくらべれば大したことのない悩み。肝心な時に本当に無力だ。