昔懐かしいおばあちゃんの売り声 松山の「あめ行商」 







「あめに~ぎょーせん。かた~あめ~にぎょーせん」。愛媛県松山市で生まれ育った人なら、この女性の声を一度は耳にしたことがあるのでは。住宅街を行き来する独特の売り声は初夏の風物詩の一つでもある。かつてはリヤカー、現在は軽トラックで「ぎょうせんあめ」を販売している。(原田茜)




■声の主は…?

 強い日差しが照りつける8月下旬。松山市勝岡町の住宅街を軽トラックがゆっくりと走っていく。聞こえてくるのは、あの売り声の口上だ。荷台に目をやると、琥珀(こはく)色をした容器がいくつも積まれていた。

 車に乗っているのは、運転する竹田商店(松山市西長戸町)の店主竹田良一さん(71)だけ。スピーカーから流れる、よく通る声の主は誰なのか。率直に尋ねると、「これは、“おかあ”の声よ」と明るい声が返ってきた。

 良一さんの母・雪枝さんは1950年ごろから50年以上にわたり、市内であめの行商をしていた。毎年6月から9月にかけて売り歩いていたため、松山に初夏の訪れを告げる風物詩に。2011年に90歳で亡くなり、良一さんが後を継いだが、生前CDに録音していた雪枝さんの売り声を今も流しているのだという。




時々、うちの団地内にも

この声が聞こえてきます。


『あっ、来た来た〜!』


誰か、買ってるんでしょうか?