パリ五輪で目指す「新たな挑戦」 カヌー 羽根田卓也







羽根田卓也 選手

「もしかしたら最後になるかもしれないオリンピックだと思うので、しっかり思いをぶつけて、また皆さんに何かを届けることができたら最高。自分のできることをしっかり見つめて、自分の仕事を全うすれば結果はついてくる。できるだけ高いところを目指してやりたい」








「自国開催ということは選手にとって何よりも意味のある大会であり、東京オリンピックは自分にとって大きいものだった。そこで区切りをつけるかはすごく考えた」


「東京オリンピックが終わったあとに、思った以上に周りから『次はパリだね』と自然に声をかけてもらった。それで、まだまだ選手を続けて頑張ることに意味があるんじゃないかなと思った」


「数センチがいかに勝負を分けて自分の人生を変えていくかという勝負の厳しさを、身に染みて自分が1番よくわかっている。そこはシビアに突き詰めている」


「とにかくバランスを保てていないと、体をのけぞるなどのぎりぎりの体勢ができない。カヌーだけではなくて、さまざまな運動や動きの中から運動能力の底上げをすることは心がけている」









「東京オリンピックまでは自分主体の挑戦だったが、パリオリンピックでは応援してくれる人の顔を思い浮かべながらの挑戦になるかなと思う。これまでよりも“一緒にオリンピックに臨む”という気持ちが強い。自分のすべてを出す、そのチャレンジする姿を届けられるようにパリに臨んでいきたい」




◇◇取材こぼれ話◇◇

羽根田選手が東京オリンピックのあと、主な練習拠点としてきたのが江戸川区にある「カヌー・スラロームセンター」です。


羽根田選手は「カヌーの人工コースが今までは日本になくて、それを求めて僕は長い間、ヨーロッパでトレーニングを重ねていた。施設ができたことによって、次世代の選手がこれから育っていくことは間違いない」と、その可能性を評価します。


オリンピックに向けて新設されたこの会場は、大会後の活用方法が課題となってきました。


いまこの施設はトレーニングにとどまらず、さまざまな用途で使われています。




市民も楽しめるカヌーやラフティングなどの体験会、消防による水難訓練などです。




羽根田選手は「選手や競技団体だけの施設では決してなく、地域に密着するあり方がいいんじゃないか」と話します。


オリンピックの舞台で長く活躍してきたトップランナーの目には、カヌー界だけでなく、スポーツ界の未来の可能性も映っているように感じました。


(2024年4月22日「ニュースウオッチ9」で放送)