「虎に翼」において、共亜事件の公判は100回を迎え、遂に結審となります。
結審の日、裁判長は16人全員に無罪を言い渡し、以下のように判決文を読み上げます。
本件において 警察側が主張するままに 試験の背景を組み立てんとしたことは、あたかも水中に月影をすくい上げようとするかのごとし。
すなわち、本件判決は証拠不十分によるものではなく、 犯罪の事実そのものが存在しないと認めるものである。
「虎に翼」共亜事件の判決文「水中に月影を掬するが如し」の意味は?
「水中にある月影」すなわち「実態のないもの」を救おうとしているようなものであり、
もともと「実態のないもの」であるから、「どんなに頑張って証拠を集めようとしたところで何も集めることなどできはしない」という意味です。
証拠不十分によって被告人たちを無罪にするのではなく、「水中にある月影」という言葉どおり、そもそも事件など存在していないというのが、この判決文を起草した桂場等一郎の主張となります。
桂場等一郎のモデルとなったのは、帝人事件において「水中に月影を掬するが如し」の判決文を起案した石田和外さんだと思われます。
帝人事件の第一審裁判を担当した石田さんは、左陪席裁判官として「事件は事実無根である」ということを強調するため、「水中に月影を掬するが如し」という文学的表現を用いた判決文を起案。
このことで、「司法界に石田あり」と一躍注目されました。
1947年に司法省人事課長に就任されましたが、司法省の廃止に伴い、1948年に最高裁判所事務局(現・最高裁判所事務総局)へ異動し、人事課長・人事局長・事務次長を歴任。
その後も、東京地方裁判所長、最高裁判所事務総長、東京高等裁判所長官など数々の要職を歴任されました。
1963年には最高裁判所判事に就任。
その後、1969年には第5代最高裁判所長官に任命されました。
『虎に翼』
いいドラマです。
これから、どうなって行く
んでしょうか?
寅子だけじゃなく
色んな方の勉強にも
なります。
モデルです。
寅子・・三淵嘉子
桂場・・石田 和外
花岡・・山口良忠
歴史的資料にもなるんですね。