「ボケたらあかん 長生きしなはれ」の言葉は、なぜか分かりませんが「松下幸之助作」と誤解されていますが、

実際は天牛新一郎 (1892-1991)という古本店主の作。


天牛新一郎







1892年(明治25年)、和歌山県伊都郡見好村(現・かつらぎ町)で生まれる。

1907年(明治40年)、大阪ミナミの二ツ井戸で露店の古本屋を始め、1915年(大正4年)、日本橋南詰東半丁で天牛書店を開店する。その後、古書店としては他に見られない品ぞろえと確かさで近畿在住の文化人の定評を得て、大阪府古書籍協同組合理事などを歴任し、1972年(昭和47年)に大阪産業功労賞、1974年(昭和49年)には大阪文化賞を受賞する[2]。

1991年(平成3年)6月2日、98歳で死去。





しかも天牛氏が94歳の作というから驚きです。

その言葉ですが、一般に知られているのは、以下の文です。

① 年をとったら出しゃばらず 憎まれ口に、泣きごとに 人のかげ口、
愚痴言わず 他人のことは誉めなはれ

聞かれりゃ教えてあげてでも 知ってることでも知らんふり

いつでもアホでいるこっちゃ いつでもアホでいるこっちゃ

② 勝ったらあかん負けなはれ いずれお世話になる身なら

若いもんに花持たせ  一歩下がって譲るのが 円満にいくコツですわ

いつも感謝を忘れずに   どんなときでも、へェおおきに

どんなときでも、へェおおきに

③ お金の欲を捨てなはれ なんぼゼニカネあってでも

 死んだら持って行けまへん あの人はええ人やった

そないに人から言われるよう 生きているうちにバラまいて

山ほど徳を積みなはれ 山ほど徳を積みなはれ

ほとんどはここで終っています。でもこれでは余りにも出来過ぎていておもしろありません。それに何の教訓にもなりません。

本当に面白いのは、後半の部分で、

④ そやけどそれは表向き ほんまはゼニを離さずに

死ぬまでしっかり持ってなはれ

人にケチやと言われても お金があるから大事にし

 みんなベンチャラ言うてくれる 

内緒やけれど、ほんまだっせ 内緒やけれど、ほんまだっせ・・・・・・・・・


⑤・・・・・・・・・・・・ボケたらあかんそのために 頭のせんたく行きがいに

何か一つの趣味持って せいぜい長生きしなはれや

そのうちお金がたまったら

そのうち家でも建てたら そのうち子供から手放れたら

そのうち仕事が落ち着いたら そのうち時間のゆとりが出来たら

そのうち… そのうち… そのうち…

出来ない理由をくりかえしているうちに 結局なにもやらなかった

空しい人生の幕がおりて 頭の上に淋しい墓標が立つ

そのうち…そのうち 日が暮れる 生きたこの道帰れない 


後半がいいですね。

そのうちそのうちばかり

言ってると、

何もできないうちに

人生が終わってしまいます。


きたえる〜むの壁に貼ってあった掲示物から

ここまでたどり着きました。


また、ビックリしたのは

作詞者が私と同郷

だったという事ですね。


またの機会に、天牛新一郎

さんについて

アップしたいと思います。