今日は、法律を勉強しましょう。

裁判所で寅子が傍聴した裁判で出てきた明治民法801条


「第801条夫は妻の財産を管理する。」

梅教授によれば「財産の管理は夫が概して妻よりもこれをするに適している者であるが故に財産に関する重大な行為は妻は夫の許可を受けるものとした。これはもとより夫権を重んじた結果である」と説明しています。

「第802条夫が妻のために借財をなし、妻の財産を譲渡し、これを担保に供し、第602条の期間を超えてその賃貸をなすには妻の承諾を要す。」
民法第602条は,「処分につき行為能力の制限を受けた者」及び「処分の権限を 有しない者」は同条所定の期間を超える賃貸借をすることができない旨を規定して いる。 このうち「処分につき行為能力の制限を受けた者」は,未成年者,成年被後 見人,被保佐人及び被補助人を指すものとされている。

このように結婚すると妻は自分の財産についてさえも夫に管理どころか処分されてしまうという大変不利な状況に置かれます。すでに明治民法の総則編の第14条、16条などで見たようにそもそも妻には行為能力がないとされているので、801条や802条の規定は当然のことです。



民法の総則編です。
・「第14条
①妻が左に掲げた行為をなすには夫の許可を受けることを要する。
1,第12条第1項1号から6号に掲げた行為
2,贈与若しくは遺贈を受諾し又はこれを拒絶すること
3,身体に羈絆を受けるべき契約をすること
②前項の規定に反する行為はこれを取り消すことができる。   」

この条文がいわゆる「妻の無能力」と言われるもので、妻には法律行為をする能力(行為能力といいます)が認められていませんでした。但し、結婚前の女性や夫が死亡により寡婦になった場合には行為能力はあります。
 では、なぜ夫がいると妻の行為能力を奪われたのでしょうか。梅謙次郎教授は、「天に2つの太陽がなく、国に2人の王がいないと同じように、家には2人の主人つまり戸主はいらない。もし家に2人の主人がいると一家の整理ができないからだ。親権は主として未成年者に対して行われ、夫権は妻に対して行われる。」と説明しています。
ちなみ1項にて夫の許可が必要とされる第12条の6つの行為とは、「元本を領収し、又はこれを利用すること」「借財又は保証をすること」「不動産又は重要な動産に関する権利の得喪を目的とする行為をすること」「訴訟行為をすること」「贈与・和解又は仲裁契約をすること」「相続を承認し又はこれを拒絶すること」です。
この条文の2項では、他人から贈与を受けることも許可が必要ですが、贈与を受けること自体は利益なのですから妻の自由だと思うのですが、梅教授によれば、「品位上また感情上、贈与を受けることができないとすることができる。これらの判断はすべて夫の意見に任せられるのでなければ、その権力が行われないことになる恐れがある。」ということです。簡単に言えば夫はそのときの気分や感情で妻に対する贈与を妻の意向に関係なく勝手に断ることができたのですね。それが「夫権」だったのです。
この条文の3項の「身体を羈絆する」という言葉は難しいですが、「行動の自由を縛るような」という意味で理解するといいのかもしれません。梅教授によれば、「夫は妻に対して自己と同居させる権利を持っているので、妻は夫の許可なくして、その同居義務に違反するような契約などできるわけがない」ということです。例えば、労働契約などは、家の外で働くことになるので、妻の同居義務に違反するのでしょう。

・「第16条
 夫はその与えたる許可を取消し又はこれを制限することができる。但し、その取消しまたは制限はこれをもって善意の第3者に対抗することができない。」

この条文は夫が一旦妻に上記の許可をした後でも、その許可がなかったことにすることができる、ということです。この条文についての梅教授の説明は、「夫は許可しても、その夫権を放棄することはない。だからどのような許可を与えたとしても、後に許可したことを後悔したときには、何時でもその許可を取り消すことができるようにしなければならない。」というものです。夫権は絶対的だったのですね。


凄い法律てすね。

こんな社会なのに弁護士に

なろうと思う寅子って

凄いな。


先ずは、法律を変えて

いかなくてはだめですよね。