「誰にでもできる事を、誰にでもできないところまで続ける」




初代山の神、今井正人の言葉。
ちょうど1年前の今ごろだった。今井は月に一度、森下広一監督やスタッフに提出する練習日誌にこの言葉を添えていた。

トヨタ自動車九州陸上競技部は21日、2015年世界選手権男子マラソン代表の今井正人(39)が現役を引退すると発表した。25日に福岡市東区の海の中道海浜公園で行われる日本選手権クロスカントリーが最後のレースとなり、引退後は指導者としてトヨタ自動車九州に残る。

39歳まで現役生活を続けた今井の生きざまを示すような言葉だと思った。地味な練習の継続がもっとも大切な陸上長距離。いくらシューズやトレーニング方法が発達しても、根幹は変わらない。こつこつと走り続け、長く第一線で活躍してきた教え子に、1992年バルセロナ五輪男子マラソン銀メダリストの森下広一監督も「こちらが勉強させられている」と敬意を表していた。