われわれ消費者が知らずに廃棄コストを負担
 恵方巻の廃棄は毎年、SNSなどで写真が投稿されているが、われわれ消費者も廃棄コストを負担していることに気づいているだろうか。なぜなら、日本の多くの自治体では、コンビニやスーパーの売れ残りを「事業系一般廃棄物」として回収しながら、最終的には家庭ごみと一緒くたにして焼却処分しており、その費用は市区町村の税金を使っているからだ(2)。食品ロスを含む食べ物のごみ、つまり生ごみは、その重さの8割以上が水である。燃えにくいものを、多額の費用と膨大なエネルギーを使って燃やしている。東京都世田谷区の場合、事業系一般廃棄物と家庭ごみの処理には1kgあたり63円の税金を費やしている(3)。

首都圏の企業から食品ロスなどを受け入れリサイクルしている株式会社日本フードエコロジーセンターの高橋巧一社長は、テレビ朝日の取材に対し、

食品ロスは、いまだにほとんどが各自治体の焼却炉で燃やされている。スーパーなどで余っているものが自分たちの税金を使い、燃やされている

と答えている(4)。

芸人とごみ清掃員の二足のわらじで活躍する、マシンガンズの滝沢秀一さんは、テレ東プラスの取材に対し、こう答えている(5)。

生ごみの汁は絞って捨てた方がいいのはなぜか。ごみに水分が多いと焼却炉に水をかけているようなものなので、炉の燃焼力を高めるためにわざわざ重油を加える必要があります。当然、費用は税金で補われる。ご家庭で一度ぎゅっと絞るかどうかで、皆さんの負担が変わってくるわけです。

恵方巻廃棄の経済・環境・社会への具体的な影響とは
 今回、全国107店舗を対象に実施した恵方巻売れ残り調査に参加した高校生の森永理子さんは、恵方巻廃棄による経済・環境・社会への影響がどれほど大きいか、分析してくれた。

経済的影響
まず、経済的な影響としては、8億6,508万4,514円の経済損失をもたらしているという結果になった。恵方巻の売れ残りとその売価を計算した、大手コンビニ3社の推定廃棄金額は次の通り。

セブンイレブン 5億1,087万7,200円
ファミリーマート 2億4,851万2,970円
ローソン 1億569万4,344円

合計金額の8億6,508万円という数字は、昨日の調査結果で筆者らが25店舗まわって計算した結果や算出金額とも整合性がある(1)。

2024年2月3日に全国107店舗の大手コンビニ加盟店で実施した調査結果より森永理子さんが算出、筆者がグラフ化

また、恵方巻の金額が明確にわかるもののみで計算したところ、単価が安いものほど廃棄率が高いという結果も得られた。

500円未満 0.49%
500円以上1,000円未満 0.36%
1,000円以上 0.13%


全国調査の結果から森永理子さんが単価ごとの廃棄率を算出、筆者がグラフ化

環境への負荷
次に環境への負荷を計算した。環境省が定める温室効果ガス排出量算定方法ガイドラインに基づき計算すると、今回の恵方巻廃棄につき、27トン685kgの温室効果ガスが排出されると推定した。

ただし、恵方巻1本あたりの重さは2023年に計量した219gとしたが、2024年に販売されていた恵方巻にはもっと重量の多いものがあったので、実際にはもっと多い可能性がある。

社会への影響
森永さんは、捨てている恵方巻があれば何人の人が暮らしていけたのかを、1日あたりのエネルギー摂取量から計算した。1日あたりに必要なエネルギー摂取量を2,000kcalとし、恵方巻1本あたりのエネルギー量を暫定的に655kcalとすると、次のような結果になった。

80人の人が10年間暮らすことができる
160人の人が5年間暮らすことができる
798人の人が1年間暮らすことができる
9,719人の人が1ヶ月暮らすことができる
41,651人が1週間暮らすことができる
129万1,562人が1日暮らすことができる


この恵方巻があれば、救われる命がある、ということになる。


税金の無駄使い

もそうだけど、


被災地の人達のことを

考えると

モッタイナイモッタイナイ。

余らせない数をもっと把握しないといけないでしょ。


予約制にすれば

一番いいんですよね。

クリスマスケーキだって

予約制ですよ。