名言・格言は、

我々を勇気づけてくれたり、

人生の指針となってくれたりします。

でも… 中には、

その言葉をものした人物

の意に反しまして、

間違った意味で伝わってしまったというものも、

意外と多いのだそうですよ。


偉人たちが遺してくれた、

せっかくの名言・格言…。

どうせなら、

本来の意味をキチンとおさえておきたいものです。

今回は、「誤解されて伝わってしまった有名な名言・格言」を、いろいろとご紹介します。




■「そこに、山があるからだ」 イギリスの登山家 ジョージ・マロリー


「なぜ、山にのぼるのか。そこに、山があるからだ」イギリスの伝説的登山家、ジョージ・マロリーが口にしたという、余りにも有名な言葉です。この言葉、いまでは、非常に哲学的な意味で捉えられています。たとえば、こんな具合です。


「山は、人生に似ている。目先の小さな目的に捉われず、その山の頂上を目指し、ただ一生懸命のぼればいい。それが、充実した人生を過ごす秘訣なのだ」


でも、こうした見方は、間違っています。マロリーが言う「山」とは、観念的な意味ではなく、具体的な「実在する山」だからです。そして…その山とは、ズバリ、「エベレスト」のことなんです。


この言葉が現れるのは、1923年3月18日付のニューヨーク・タイムズの記事です。記事の中で「なぜあなたはエベレストに登りたいのですか?」との質問に、マロリーは、「そこに(エベレストが)あるからさ "Because it's there."」と答えているんです。


つまり… 当時、まだ誰も登ったことがない「第3の極地」エベレストに登りたくなるのは、登山家として当然のことだ… と言っているに過ぎないんです。ましてや、山を人生に例えたりはしていません。哲学的な意味は、まるでないんです。







■「もっと光を!」 ドイツの天才哲学者 ゲーテ


シーザーのケースもそうですが、偉人がいまわの際に発したとされる言葉は、偉大なるがゆえに、往々にして、のちのち「誤解」を招くようです。


たとえば、ドイツを代表する文豪で天才哲学者、ゲーテのケース。彼は、死の直前、両手を中空に広げて、こう叫んだそうです。


もっと… もっと光を!


これ、なんといっても「あの文豪ゲーテ」ですから、非常に哲学的に捉えられているようです。「神よ、もっと光を。 私は、志半ばにして死ぬが…罪深き人間たちに、もっと光を与えたまえ!」…そのような意味にとらえている人が多かったのだそうです。


ところが… キチンと調べてみると、事実はまるで違いました。この言葉は、ゲーテの最期を看取った主治医、フォーゲル医師の証言が基となっているんです。フォーゲル医師は、ゲーテの最後の言葉は、こうだったと語っています。


もっと光を入れたいから、二番目の鎧戸を開けてくれないか。

要するにゲーテは、部屋が暗いから、もっと明るくしてくれ、と頼んだだけなんです。


 

偉人たちの名言や格言が、時に、誤解されて後世に伝わることがあるのは、偉人が偉人であるがゆえ… なのかもしれません。







■「地球は、青かった」 世界初の宇宙飛行士 ガガーリン(ソ連)


1961年4月12日、ソ連のユーリイ・ガガーリンが、世界で初めて有人宇宙飛行に成功。物音ひとつしない宇宙空間の静寂の中、ガガーリンは、地上との交信のマイクを手に取った。そして、感に堪えたかのように、こう一言だけ、つぶやいた。「地球は、青かった」──


コレも、正確に言うと、だいぶん違います。そもそもこの言葉は、宇宙からの交信で飛び出た言葉じゃありません。ガガーリンが地球に帰ってきた後になって出てきた言葉なんです。彼が出した手記を紐解きますと、こんな言葉が出てきます。


地球はまるで、青いヴェールをまとった、花嫁のようだった。


これが英語に翻訳される際、「地球は青かった」に変化して広まった…と言われているんです。(あまねく広まっている名言よりも、こちらのほうがステキ…という感じもしますね。)






こういう名言は


たくさんあるかも


知れません。


このサイトには、


あと数点の名言が


ありました。が、


またの機会に、


アップしたいと思います。