発想力が60%アップする「歩き方」とは



発想力が60%アップする「歩き方」とは

■平均睡眠時間を上回る、座りっぱなし時間の弊害
「今この瞬間にしていることが、寿命を縮めています」

アップルなど多くのIT企業で働き、経営幹部も務めたニロファー・マーチャントは、プレゼンでこんな風に問題を提議した。今この記事を読む瞬間にしていることとは……多くの方はあてはまるであろう“座る”こと。あるデータによると、人は1日の平均睡眠時間を7.7時間として、それを上回る9.3時間を座って過ごしているという。座っていることによって癌、心臓病、糖尿病などの発症率が高まるという統計もみられるというのだ。

マーチャント氏は、あるとき会議室でのミーティングに都合がつかなかったことから、「犬の散歩の時間に来て欲しい」と言われ、歩きながらミーティングを行った。すると、歩くことで違った世界が見られるような感覚になり、さらには仕事と運動を両立する達成感を味わったという。体を動かすことが大切で、座り続けることは健康によくないのは誰もが知る事実ながら、新たな視野も開けるメリットもあるわけだ。さらに、最近では身体を動かすことが仕事でも勉強でも効果を表すとされている。

考えに行き詰まると、部屋などの“箱”から出ることで、新鮮な発想ができるような感覚を覚えることがあるだろう。物理的な“枠”を取り外すことで、自然に関係のない情報までが自分の視覚・聴覚から入ってきて刺激を受けるからだ。すると、会議室では取り払えない決まった枠組みから飛び出して、いろいろな分野の情報が結びつき、新しい発想が生まれてくる。今までと違った角度から物事を見て、考えて、新たなフレームで物事を考えるようになるはずだ。

ところが……実は、外であろうと中であろうと、“歩く”ことさえすれば、さしたる違いはないという実験結果もみられるようになった。



■歩けば室内でも発想はよくなる?

スタンフォード大学のダニエル・シュワルツとマリリ・オペッゾは、歩くことでよりクリエイティブな発想が刺激され、考えもまとまるという研究発表をしている。

シュワルツ氏らは、被験者に3つの異なるものを与えて、その新しい使い道を考えてもらう、という実験を行った。ほかの被験者が発案していない限り、その考えは新しいものとみなし、たとえばタイヤを指輪とするなどの無理な発想は除く前提だ。すると、座っている人よりも、たとえランニングマシンなどでその場を歩いているだけでも、考えは目新しくかつ適切になり、座っている人の発想力を60%上回ったという。

さらに、ひとつの言葉をきっかけに、ほかの表現を連想していく実験でも、歩いている人は100%の確率で高いレベルの表現を生み出せたのに対し、座っている人たちは50%にとどまった。

こうした一連の実験から、たとえ建物の中であったとしても歩く人のほうが、壁に向かって座っているよりもはるかに発想が豊かで、創造する力がアップする結果がでている。車いすに座っていたとしても、動き回るほうがいい。歩きさえすれば、建物の中でも外でも結果に大きな違いはみられなかった。つまり、「環境を問わずとにかく歩くこと」にインスピレーションを刺激する効果があるというわけだ。

スティーブ・ジョブズも歩きながらミーティングを行ったが、歩くことで、どのように脳がリフレッシュされていくのだろうか。



■「脳のアイドリング」で情報整理

ジョブズのウォーキングミーティングをはじめ、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグやツイッターの創業者ジャック・ドーシーなど経営者らが、歩きながらのミーティングを実践している。もちろん、忙しいことによる面もあるが、より発想を促せる効果もあるからだ。ジョブズの場合は、禅の影響も考えられるだろう。

たとえば禅には“歩行禅”という、心を無の状態にして10分から20分程度歩く方法がある。これで脳の中のさまざまな情報が整理され、気にかかっていることなどが解きほぐされる効果が期待できるという。

茂木健一郎氏は一昨年開催されたプレジデントフォーラムで、「歩くことの効用の一つは、

Default mode networkが活動すること」と話されていた。デフォルト・モード・ネットワークとは、人間が世の中の出来事や何かの目的、文脈などにとらわれることなく活動する場合に働く神経回路のこと。無になって歩くことで、脳が動力を伝えることなく空回りするアイドリング状態になって、メンテナンスが進む。すると、ストレスの要因となるさまざまなゆがみが整理、解消されていくという。これによって、考え方や視野がリセットされて新しいアイデアが生まれやすくなるのだ。



たとえばジョンソン・エンド・ジョンソンの子会社で、健康増進・生産性向上などで企業社員をサポートするコンサルティング会社ウェルネス・アンド・プリベンションという企業がある。ここでは、生産性を挙げる方法として、30分に1回立ち上がって1、2分歩き回ることを推奨している。

体を動かし始めた直後の1、2分の間には心拍数が少し増加することによって、より多くの酸素が脳に届けられるという。この方法を3カ月試した人は、エネルギッシュになり、集中力が増し、仕事に取り組む意欲もあがったとの報告も見られる。もちろん、歩きながら資料を読むことも効果的というわけだ。

さて、この記事を読まれている方も、最後まで読み切る前に立ちあがって、ぜひ歩いてみていただきたい。かくいう私も、ここまでずいぶんと座りっぱなしになってしまった。一度歩き回って酸素を取り入れて、次の仕事に取り掛かることにしよう。3カ月のちに、集中力が増し、仕事に取り組む意欲もよりあがっていることを期待して。

(ネット引用)

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歩きながらミーティングをすると言う発想がすごいです。

街中が資料をもって、歩き回っているグループで

溢れかえっている状態になるんじゃないの。

何年も前に、新入社員の研修を外でしたことがあります。

(私が、講師です。)

歩き回るような研修ではなかったですが、

気分転換になり、集中できたような気がします。