思いがけず旅行に行くことになり訪ねた公園。そこはいくつかのドラマにも登場する場所で、夕暮れ時や日没後がとくに美しい場所だと思う。

ホテルに荷物を置いて、まだ夕暮れには少し早い時間に着いた。公園までの坂道の途中に壁画があったり、オブジェが置かれていたり、インスタ映えというか写真を撮るのに良い場所だ。写真を撮りながらだから、徒歩12分というのをはるかに越えた時間がかかってようやく頂上(?)の展望所に着いた。(展望所は3箇所ある)

良い撮影ポイントを探しながら城壁に沿って歩いていると、ふと目に留まった。小さな花束が置かれていた。カードが添えられていたが宛名はない。誰かに「愛してるよ」「ありがとう」そういう内容のことが書かれていた。どうやら亡き人に捧げた花束のようだった。

後で分かってみると、その日は12月18日で、Sというグループのリードボーカルのコが1年前にこの世を去った日だった。その彼が生前好きだったという場所、そこに置かれた花束。。。

何だか写真に収めるのは申し訳ない気がして、あえて花束は撮らなかったはずなのに、偶然他の写真の中に映っていたらしい。

ハングルで書かれたそのカードと、花束のことはずっと記憶に残るだろう。この城壁を見るたび、その彼のことも花束を捧げた人のこともきっと思い出すに違いない。