飯田線は、国内屈指の秘境路線として、全国的にも広く知られています。


千代駅は、千年の繁栄を願う縁起のいい秘境駅として有名な駅です。


千代駅のすぐそばには三遠南信道が通っており、天龍峡大橋に設置された天空の回廊、そらさんぽ天龍峡からの絶景が話題となっています。



〜 千代(ちよ)駅 〜


2023秘境駅ランキング第20位。

飯田線秘境駅号の停車駅です。

千代駅は千年の繁栄を願う縁起のいい駅です。


その駅名標に触れるとご利益があるそうです。


千代駅を発車する普通列車。

普通列車の発車シーンはこちら。

千代駅に到着する普通列車。

普通列車の到着シーンはこちら。

千代駅に到着した飯田線秘境駅号。

飯田線秘境駅号の到着シーンはこちら。

千代駅は秘境駅ですが、駅から1.2キロほどのところに三遠南信道の千代インターがあるので、高速道路からのアクセスの良さは国内屈指です。

その昔、天竜川で採取した砂利を鉄道で搬出していた線路の名残りが今も残っています。

千代駅は、日本の高度成長期を支える重要な駅だったそうです。

飯田方面の景色。

線路の先の上空に、三遠南信道の天龍峡大橋が見えます。

が、樹木に覆われて全貌が見えません。

獣道を歩いて天竜川の河原に行ってみます。
注)獣道は竹林の切り株があり非常に危険です!安全な服装と靴が必要となります。ご注意を!

河原から、天竜川の上空80メートルに佇む天龍峡大橋を望みます。

まさに天空にそびえる孤高の橋。


〜 天龍峡大橋の芸術的な構造 〜

天龍峡大橋は、三遠南信道の天龍峡インターから千代インター間の天竜川に架かる、景観に十分に配慮した全長280メートルの美しいアーチ橋です。

その構造は全国的にも珍しく、高速道路の直下に遊歩道の「そらさんぽ天龍峡」を設置して、観光面でも貢献する最新鋭の橋梁です。

天龍峡大橋は、名勝天龍峡の歴史ある景観との調和をはかるため、渓谷への収まりがよく、背後の山なみの稜線を阻害しないアーチ橋が採用されています。


橋の桁下に設置された遊歩道のそらさんぽ天龍峡は、鋼上路式アーチ橋では日本唯一となる桁下歩道で、橋梁点検のための検査路もかねています。

アーチ橋の弓なり部分は、国内で最も扁平(へんぺい)なアーチライズ比で、周囲から橋を見たときに平べったく見えるため、景観上の圧迫感がほとんどありません。

天龍峡大橋は、左右のアーチリブが頂部に向かうほど狭くなる、バスケットハンドル形といわれる構造です。

天龍峡大橋の道路線形は緩やかな曲線です。

道路の曲線とバスケットハンドル形との組み合わせは、天龍峡大橋独自の三次元的な造形美を造り出しています。

その特殊な構造は、世界的にも天龍峡大橋が初の実績といわれ、橋梁分野で最も権威がある土木学会田中賞を受賞しています。

なお、橋桁とアーチリブをつなぐ中間支柱はカーブの外側に向かってほどよく傾けられており、走行する車両が発生する荷重をうまく受け止めています。

下から見るとその安定感がよくわかります。

名勝地を横断する自動車専用道路の架橋は前代未聞で、計画から施工まで困難を極めるプロジェクトだったそうです。

その苦労を経て、天龍峡大橋は名勝天龍峡の景勝地の一部となり、飯田のあらたなる観光地として注目を浴びる存在となりました。


〜 そらさんぽ天龍峡 〜


そらさんぽ天龍峡は、天龍峡大橋に設置された絶景の遊歩道です。
注)写真は天龍峡パーキング側の出入口。

天竜川の上空80メートル、天空の回廊から見る景色はとても素晴らしく、天龍峡の新たな観光名所として話題となっています。

その名の通り、風光明媚な名勝天龍峡がすぐそばにあり、四季折々の彩りが楽しめます。

そらさんぽ天龍峡へのアプローチは天竜川をはさんで二箇所あります。

メインゲートとなる天龍峡パーキング出入口と、千代インター側の下村展望広場出入口です。

こちらは千代インター側の下村展望広場。
そらさんぽ天龍峡の東側の玄関口です。

ここから千代駅までは約1キロの距離です。

高速道路の三遠南信道が真横を通ります。

下村展望広場のすぐ目の前は天龍峡大橋です。

下村展望広場からの見晴らしは抜群で、天龍峡大橋と南信濃の山なみのコラボレーションは実に壮観です。

こちらが、そらさんぽ天龍峡の出入口。

ここから長さ280メートルの空中散歩(そらさんぽ)の旅が始まります。

そらさんぽ天龍峡には展望スペースがあります。

展望スペースから南側を望みます。
蛇行する天竜川と南信濃の山なみ。

北側を望みます。
天空から見下ろす天竜川と飯田線の鉄橋。
まさに絶景!

豊橋方面から飯田方面に向かう列車が鉄橋を通過します。

飯田方面から豊橋方面に向かう特急伊那路が鉄橋を通過します。

実際に列車の車窓から天龍峡大橋を見上げるとこんな感じ。天竜川の渓谷にいきなり出現する巨大なアーチ橋はすごい迫力です。

そらさんぽ天龍峡から千代駅を望みます。

ズームします。千代駅が見えました。列車が停車しています。そらさんぽ天龍峡と秘境駅がつながりました。

天龍峡パーキングから望む天龍峡大橋。

三遠南信道の全線開通は10年以上先の話しですが、ここから新東名につながるという夢のような話に、高速道路のロマンを感じます。


〜 三遠南信自動車道について 〜

三遠南信道は正式な高速道路なので、国が指定する高規格幹線道路の一般国道の自動車専用道路に分類されています。

なので、三遠南信道は高速道路でありながら、一般国道474号線の路線ということになります。


注)写真は中部地方整備局のホームページより抜粋。

ちなみに、新東名や東名高速は高規格幹線道路の高速自動車国道に分類され、三遠南信道より格上の高速道路に該当します。

三遠南信道の起点は中央道の飯田山本インター、終点は新東名の浜松いなさジャンクションで、総延長は約100kmです。
注)国土交通省飯田国道事務所のホームページより抜粋。

三遠南信道はまだ一部が建設中・計画中で、全線開通は10年以上先になる見込みです。

三遠南信道の現状について、取りまとめてみました。

◎飯田山本IC〜飯田上久堅・喬木富田IC
    延長約15km∶開通済み
◎飯田上久堅・喬木富田IC〜喬木IC
    延長約7km∶建設中(開通時期未定)
◎喬木IC〜程野IC
    延長約6km∶開通済み
◎程野IC〜小嵐IC  ※国道152号現道利用区間
    延長約21km∶改良済19km/未改良2km
◎小嵐IC〜水窪北IC  ※青崩峠道路
    延長約6km∶建設中(開通時期未定)
◎水窪北IC〜水窪IC  ※国道152号現道利用区間
    延長約7km∶未改良7km
◎水窪IC〜佐久間川合IC  ※水窪佐久間道路
    延長約14km∶計画段階中(全くの未施工で開通時期は10年以上先?)
◎佐久間川合IC〜東栄IC
    延長約7km∶開通済み
◎東栄IC〜鳳来峡IC
    延長約7km∶建設中(2025年開通予定)
◎鳳来峡IC〜浜松いなさJCT
    延長約14km∶開通済み

2025年に東栄IC〜鳳来峡ICが開通すれば、浜松市天竜区佐久間と新東名までが高速道路で直結します。

2026年以降の近い将来、

建設中の飯田上久堅・喬木富田IC〜喬木IC間、小嵐IC〜水窪北IC間、現道利用区間の水窪北IC〜水窪IC間、 

が開通すれば、飯田山本IC〜水窪IC間は三遠南信道、水窪ICから一般道の国道152号・国道473号の約40km間を経て、佐久間川合IC〜浜松いなさJCT間は三遠南信道を走れることになり、飯田から豊橋・浜松までの距離はぐっと縮まると思われます。

が、水窪ICから佐久間川合IC間の一般道を走る約40km間が非常にネックで、幅員狭小・離合困難な箇所が多々ある難所を走行することになります。

もしかしたら、天龍峡IC〜東栄IC間は快適道路の一般道の国道151号線を約70km走ったほうがスムーズな場合もあります。

上記について走り比べる案件は、開通してからのお楽しみということで、どちらにしても三遠南信道の整備促進は、ドライブ好きにはとっても喜ばしいことです。


〜 夕暮れの天龍峡大橋 〜

天龍峡大橋は、周囲の景観を阻害しないようにデザインされた、スマートな橋梁です。

夜間の照明も壁高欄に埋め込まれ、とてもすっきりとした雰囲気で、背後の山なみとの調和も抜粋です。

最後に、夕暮れ時の幻想的な天龍峡大橋の勇姿をじっくりとご覧下さい。

下村展望広場から望む天龍峡大橋。

下村展望広場から望む天龍峡大橋。

天龍峡パーキングから望む天龍峡大橋。

天龍峡パーキングから望む天龍峡大橋。

天龍峡パーキングの施設。

天龍峡パーキングの施設。


以上、千代駅と天龍峡大橋のご案内でした。

秘境駅巡りや秘境駅弁など、飯田線についての記事は、以下のリンクよりご覧になれます。

飯田線のブログへのリンクです。 

注)写真は小和田駅です。