飯田線の大嵐駅。


大嵐駅の駅名は難読漢字です。


おおあらしではありません、おおぞれです。


大嵐駅は浜松市にありますが、実質的には愛知県豊根村の秘境感たっぷりの富山(とみやま)地区の玄関口です。


秘境駅ではありませんが、中部の駅百選にも名を連ね、飯田線秘境駅号も立ち寄ります。


〜 大嵐(おおぞれ)駅 〜


トンネルとトンネルの狭間にある大嵐駅。


駅名を普通に読んだら、おおあらし!


とにかく名前のインパクトが強烈です。


大嵐駅は間違いなく秘境にありますが、なぜか秘境駅ではない不思議な駅。

飯田方面の景色。


飯田方面の景色。

豊橋方面の景色。

豊橋方面の景色。

大嵐駅を発車する普通列車。

普通列車の発車シーンはこちら。

大嵐駅に到着する普通列車。

普通列車の到着シーンはこちら。

大嵐駅を通過する特急伊那路。

走り去る、特急伊那路。

特急伊那路の通過シーンはこちら。


大嵐駅に到着した飯田線秘境駅号。

飯田線秘境駅号の到着シーンはこちら。

大嵐駅に停車中の飯田線秘境駅号。

大嵐駅を発車する飯田線秘境駅号。

大嵐駅の所在地は静岡県浜松市ですが、天竜川の対岸は愛知県豊根村です。

モダンで立派な造りの建物は、駅舎ではなく「みんなの休む処」という休憩所です。


休憩所内は、わりと綺麗な感じです。

しっかりとしたテーブルもあるので、食事もゆっくりできそうです。

いつかここで「飯田線秘境駅オリジナル弁当」を食べてみたいものです。

大嵐駅の雰囲気にぴったりの秘境駅弁!

ちなみに、休憩所はJR東海の施設ではなく、豊根村が管理している施設で、お隣の浜松市に富山地区の玄関口として、堂々と君臨しています。


大嵐駅から見える巨大な橋梁は、天竜川に架かる高鷲橋です。


〜 高鷲(たかす)橋 〜

高鷲橋は、橋長が160メートルほどある巨大な橋梁です。


飯田線の列車の車窓からも、この巨大な橋を見ることができます。

大嵐駅があるのは静岡県浜松市。

対岸に渡ると、愛知県豊根村。

対岸から大嵐駅の方向を望みます。

高鷲橋は、まさに秘境に架かる孤高の橋。

下を流れる天竜川との高低差がかなりあるので、迫力満点の渡河が体験できます。


徒歩だとちょっぴり怖いかも。

高鷲橋から天竜川の上流側を望みます。
すぐ上流には最強の秘境駅の小和田駅があります。まさに絶景!

下流側を望みます。はるか彼方の佐久間ダムの広大なダム湖は、ここまで続いています。

ダム湖のロマンを感じます。
注)写真は佐久間ダムです。


〜 豊根村富山地区(旧富山村) 〜


愛知県豊根村の富山地区は、豊根村との合併前は富山村。「離島以外の市町村の中で最も人口が少ない村」として知られています。


合併前の時点での人口は、わずか218人!


逆にそれを逆手にとったキャッチフレーズが「日本一のミニ村」です。

旧富山村のメインストリート。


元村役場の庁舎や郵便局はありますが、お店らしきものはありません。

旧富山村は、急峻な斜面に民家が立ち並ぶ、山とダム湖に囲まれた、静かな桃源郷です。


旧富山村へのアプローチは、飯田線を利用すれば容易に来れますが、車ではそう簡単にはいきません。

ちなみに主な都市からの距離は、新城市中心部から約80キロ、飯田市中心部から約60キロの位置にあり、その道のりは、とてつもなく難儀な秘境の地です。

甘く見積もっても、三遠南信道の鳳来峡インターから約55キロ、三遠南信道の天龍峡インターから約45キロもあります。

が、車で訪れたときの達成感は、計り知れないものがあります。

奥三河と南信濃を走りつくした私のスキルで判断すると、大嵐駅〜天竜峡駅間の秘境区間で、別格の小和田駅を除けば、一番車で到達するのが厳しいのは大嵐駅というのは間違いありません。

大嵐駅は、ドライブ好きの目線から見たら、到達難易度Max百パーセントの秘境駅です!


〜 秘境の信号機 〜

旧富山村には、唯一の信号機があります。
まさに秘境の信号機。

決して交通量が激しい交差点という訳ではないのに、なぜに信号機があるのだ?

その理由として、この交差点のすぐ近くに旧富山村の小中学校があり、一説には子どもたちに信号機の存在を教えるためにわざわざ設置された、とのことです。

ちなみに、旧富山村の小中学校は廃校となり、現在は豊根村の中心部にある小学校と中学校に統合されています。


〜 秘境の名湯「湯の島温泉」〜


大嵐駅から約3キロほど離れたところに、秘境の名湯「湯の島温泉」があります。


こちらが湯の島温泉。

露天風呂もあります。


が、「湯の島温泉」は土・日・祝日が営業日で、営業時間は13:00〜19:00なので、来訪するには注意が必要です。


〜 愛知県道1号飯田富山佐久間線 〜

旧富山村を南北に貫く、飯田富山佐久間線。

飯田富山佐久間線は、長野県の飯田市を起点とし、愛知県内を経て、静岡県の浜松市天竜区佐久間に至る主要地方道で、三県にまたがって天竜川にずっと寄りそっています。

県道のナンバリングは、それぞれの県でトップナンバーの1号を背負います。


三県連続で県道1号がつながるのは、全国的にこの飯田富山佐久間線だけなので、わりと人気のある県道として知られています。


とくに、長野県内の天龍峡付近〜天龍村の平岡ダムまでの区間は、幹線国道なみに整備された快適道路で、トップナンバーにふさわしい風格を漂わせています。


逆に、愛知県の豊根村の富山地区(旧富山村)~静岡県の佐久間ダムまでの区間は、幅員狭小・離合困難な、まさに険道です。


ちなみに険道とは、険しい県道のこと。


飯田富山佐久間線の走破と合わせて、秘境駅めぐりをする方も多いそうな。


旧富山村の市街地の外れにある交差点。

ここから佐久間ダムまでの約20キロ間は、全国の険道愛好家から絶大な指示をうける、幅員狭小・離合困難な、恐怖の険道区間が待ち受けます。
注)写真は佐久間ダムです。

もちろん、この先は正真正銘の秘境なので、民家は全く存在しません。

とくに、ダム湖の堆積砂を浚渫した陸揚場から、佐久間ダムまでの約5キロ間は、険道区間の王者の「恐怖のダンプカー軍団」が君臨していますので、すれ違いに最新の注意が必要です。

険道区間は、ちまたでは佐久間ダムの湖岸道路と言われていますが、ほぼ林道なみの危険な道路なので、この険道区間の走破にトライする方は、慎重な運転を心がけましょう。


以上、大嵐(おおぞれ)駅と、秘境感たっぷりの旧富山村のご案内でした。

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注)写真は秘境に架かる孤高の吊り橋、竜田橋です。