飯田線は、国内屈指の秘境路線として、全国的に広く知られています。
飯田線といえば、魅惑の秘境駅が有名ですが、それ以外にも秘境を流れる天竜川と、天竜川に架かる美しい橋、そこから望む素敵な景色も素晴らしいものがあります。
注)写真は秘境に架かる孤高の吊り橋、竜田橋です。
本日は、日帰りで飯田線の秘境を流れる天竜川の、絶景めぐりをご案内したいと思います。
注)そらさんぽ天龍峡にて、天竜川と飯田線の鉄橋です。
早起きをして車で中部天竜駅まで行き、始発列車に乗り込みます。
ちなみに中部天竜駅は、自宅(静岡県西部)から新東名・三遠南信道経由で、約2時間ほどあればたどり着けます。
飯田線の列車はロングシートではなく、転換クロスシートかボックスシートなので、進行方向を向いて座れます。
全列車トイレ付きなので、秘境駅間の移動はとても快適です。
それでは、絶景めぐりの旅に出かけましょう。
早朝の中部天竜駅に来ました。
本日のトップバッターは、当駅始発の普通列車の伊那松島行き。
中部天竜駅を6時15分出発。
朝一番の訪問駅、為栗駅を目指します。
中井侍駅に停車。(天竜川)
伊那小沢駅に停車。
伊那小沢駅では、列車すれ違いのため3分ほど停車します。
リフレッシュと撮影をかねて列車の外へ。真冬の朝の澄んだ空気がとても心地よいです。
伊那小沢駅は、天竜川を見渡せる高台にあります。ここから望む天竜川と水神橋は、まさに絶景。
伊那小沢駅〜鶯巣駅間の景色。(天竜川)
平岡駅〜為栗駅間の景色。(平岡ダム湖)
為栗駅に7時09分到着。
〜 為栗(してぐり)駅 〜
2023秘境駅ランキング第13位。
すぐ目の前は、エメラルドグリーンの天竜川。風がないので、水面が鏡のように輝きます。
本日は朝靄がかかっているので、とても神秘的な雰囲気です。
朝の清閑とした為栗駅は、まるで時間が止まっているような雰囲気で、とても幻想的です。
天竜川の河原から、天竜橋を望みます。
河原から望む、飯田線の鉄橋。
朝の為栗駅は、とても癒やされます。
以上、為栗駅のご案内でした。
為栗駅と天竜橋の絶景を堪能したら、次は飯田行きに乗車します。
為栗駅を7時58分出発。
次の訪問駅の門島駅を目指します。
為栗駅〜温田駅間の景色。
(天竜川と南宮大橋)
門島駅に8時16分到着。
〜 門島(かどしま)駅 〜
飯田線のマイナー駅にしては、珍しくホームに線路が二線あります。さらにもう一本線路が引き込まれているのは、保線用の引き込み線です。
門島駅のすぐそばを流れる天竜川の赤い橋は、櫓(やぐら)橋です。
櫓橋に行ってみます。
櫓橋から上流側を望みます。奥に見えるのが泰阜(やすおか)ダムで、手前の建物が発電所です。
こちらの円柱状の巨大な構造物は、ダムから引き込む水量を調整するためのサージタンクです。すぐ目の前を飯田線の線路が通っています。間近で見るとすごい迫力。
以上、門島駅のご案内でした。
門島駅と櫓橋の絶景を堪能したら、次は天竜峡行きに乗車します。
門島駅を8時53分出発。
次の訪問駅の唐笠駅を目指します。
唐笠駅に8時58分到着。
〜 唐笠(からかさ)駅 〜
泰阜ダムのダム湖沿いにある唐笠駅。
駅から見える橋梁は、天竜川に架かる長瀞(ながとろ)橋。
長瀞橋に行ってみます。
長瀞橋から唐笠駅を望みます。
長瀞橋では、清閑とした泰阜ダム湖の景色を堪能できます。
以上、唐笠駅のご案内でした。
唐笠駅と長瀞橋の絶景を堪能したら、次は中部天竜行きに乗車します。
唐笠駅を9時25分出発。
次の訪問駅の温田駅を目指します。
温田駅に9時40分到着。
〜 温田(ぬくた)駅 〜
温田駅は泰阜(やすおか)村にありますが、天竜川の対岸の阿南町の玄関口でもあります。
飯田線の列車からも見える美しい斜張橋は、天竜川に架かる南宮(なんぐう)大橋です。
南宮大橋に行ってみます。
このあたりは、南宮峡と言われる景勝地です。
以上、温田駅のご案内でした。
南宮大橋の絶景を堪能して、次は天竜峡駅を目指します。
この時点で、時刻は10時を少しまわったところ。
温田駅から次に天竜峡方面に行く列車の到着時刻は11時45分。
駅までゆっくり歩いて戻っても、まだ1時間半は待ち時間があり、途方にくれそうです。
が、温田から飯田方面に向かう裏ワザがあります。
南宮大橋のすぐそばにある県立阿南病院へ。
少し待つと救世主が登場。
阿南町のコミュニティバス、飯田病院前行きが到着しました。
ここから快適道路の国道151号線を経て、天竜峡駅・飯田駅方面に向かう乗合いバスです。
県立阿南病院前を10時11分出発。
路線バス乗り継ぎの旅!って感じで、コミュニティバスに乗車して、次の目的地の天竜峡駅を目指します。
コミュニティバスは、快適道路の国道151号線を順調に走り、天龍峡バス停に10時55分頃到着。
あらかじめ予約をしておいたタクシーに、天竜峡駅から乗り込みます。
天竜峡駅にはタクシーが常駐していますが、出払ってしまっている場合があるので、予約をしておくのがお勧めです。
タクシーに乗車して天竜峡駅を出発。
天龍峡の新名所「そらさんぽ天龍峡」を目指します。
飯田線で天竜川の絶景を駆けめぐる旅も、佳境に入ります。
天竜峡駅を出発したタクシーは、天龍峡インターから三遠南信道に入って、天龍峡大橋を渡ります。
次の千代インターで三遠南信道を降りて、下村展望広場へ。ちなみに三遠南信道は無料です。
下村展望広場に11時05分頃到着。
下村展望広場は、そらさんぽ天龍峡の東側の玄関口です。
ここまで来るのに、温田駅から飯田線を利用した場合、温田駅11時45分発 → 千代駅12時04分着 → 徒歩20分 → 下村展望広場12時24分着となるので、約1時間20分ほど時間を短縮できました。
救世主に感謝です。
ありがとう、阿南町コミュニティバス。
ちなみに、下村展望広場は千代駅が最寄り駅なので、魅惑の秘境駅に立ち寄ってから、徒歩でここまで来るのもいいかもしれません。
が、千代駅を出てからしばらくの間は、心臓やぶりの急勾配の上り坂をひたすら歩き続けることになるので、それなりの覚悟が必要です。。。
そらさんぽ天龍峡は、三遠南信道の天龍峡インターと千代インターの間を流れる天竜川の天龍峡大橋に設置された遊歩道です。
天龍峡大橋は全長280メートルの美しいアーチ橋で、全国的にも珍しい高速道路の直下に遊歩道を有する構造です。
天竜川の上空80メートル、天空の回廊から見る景色はまさに絶景。
天龍峡の新たな観光名所として話題となっています。
その名の通り、風光明媚な名勝天龍峡がすぐそばにあり、四季折々の彩りが楽しめます。
下村展望広場のすぐ目の前は天龍峡大橋です。
天龍峡大橋は、景観に配慮した美しいアーチ構造が自慢です。
下村展望広場からの進入口はこちら。
以外とひっそりとしていて、秘密基地に潜り込むような感じです。
橋のたもとに設けられたエントランスに到着。
ちなみに、夜間は閉鎖されています。
3月から10月は6時30分〜18時00分
11月から2月は7時30分〜16時30分
ここから長さ280メートルの空中散歩(そらさんぽ)が始まります。
内装はシックな感じで、とても落ち着いた趣きです。歩道の幅は2メートルほどあります。
そらさんぽには、展望スペースが2箇所ほど設けられており、休憩を兼ねた撮影スポットになっています。
展望スペースから南側を望みます。
蛇行する天竜川と南信濃の勇壮な山なみ。
北側を望みます。
天空から見下ろす天竜川と飯田線の鉄橋。
さらに回廊を進みます。
だんだん雲の上を歩いているような感覚になってしまうのが、そらさんぽの魅力です。
北側を望みます。
このアングルが、天竜川と飯田線の鉄橋を撮影するベストショットです。
天龍峡パーキング側の出入口に到着。
異次元の世界を体感した空中散歩の旅も終焉となります。
下村展望広場側に比べると、天龍峡パーキング側のエントランスはわりと控えめです。
張り出し歩道の構造のため、とてもシンプルにまとめられています。
こちらの出入口へのアクセスは、天龍峡インターに隣接する、天龍峡パーキングが最寄りとなります。天龍峡大橋の西側です。
そらさんぽ天龍峡は、天空の回廊の名にふさわしい景勝地で、天龍峡の新たな観光名所として飯田に君臨しています。
そらさんぽ天龍峡で、未体験ゾーンの空中散歩を堪能し、天龍峡パーキングに向かいます。
天龍峡パーキングから、そらさんぽの出入口までは、遊歩道を歩いて3〜5分ほどです。
駐車場は広々としており、開放感にあふれます。乗用車なら50台以上は駐車可能です。
パーキングというより、何となく公園のような雰囲気です。
天龍峡パーキングは、正式な高速道路の休憩施設なので、トイレとインフォメーションセンターがあります。
売店は今のところありません。
が、土日祝日に限り、キッチンカーが来て飲食の営業をするときがあるそうです。
天龍峡パーキングからの眺望も絶景です。
中央アルプスの雄大な山々の稜線を、大パノラマで展望できます。
天龍峡パーキングで少し休憩をして、次は天龍峡のつつじ橋を目指します。
パーキングの北東にある出入口から、つつじ橋へと続く遊歩道を進みます。
遊歩道の途中にある展望台から、天龍峡大橋を望みます。天竜川と飯田線の鉄橋も視える絶景ポイントです。
しばらく歩くと、よって館天龍峡に到着。
よって館天龍峡は、天龍峡のガイダンス施設で、天龍峡の見どころをはじめ、歴史・自然・地形の成り立ちなどについて詳しく学べます。
隣接して、天龍峡温泉交流館ご湯っくりがあるので、ここでお食事もできます。
つつじ橋に到着しました。
天龍峡の渓谷を望みます。まさに絶景!
天龍峡から望む天龍峡大橋。
つつじ橋から急勾配の階段をひたすら登り、龍角峯の頂上にある展望台に来ました。
龍角峯の頂上から望む天龍峡の上流部。
渓谷と中央アルプスが展望できる抜群のロケーションは、まさに絶景!
ここからも天龍峡大橋が望めます。
名勝天龍峡の絶景を堪能したら、天竜峡駅に向かいます。
そらさんぽ天龍峡と名勝天龍峡の観光を終えて、天竜峡駅に戻って来ました。
駅のすぐそばにある、姑射(こや)橋へ。
姑射橋は信濃の橋百選にも選定されています。
姑射橋から望む天龍峡の渓谷。
天龍峡では、天竜川をゆったりと下る、風光明媚な天竜ライン下りが楽しめます。
断崖絶壁にはさまれながら、唐笠駅に隣接する唐笠港まで、約1時間ほど天竜川をクルーズします。
姑射橋の目の前には、広々とした姑射橋広場が広がります。
姑射橋広場では、天竜川の向こうにそびえる中央アルプスの山なみが展望できます。
諏訪湖の釜口水門を起点とする天竜川。
天竜川は、ここから100キロ以上も離れた太平洋を目指して南下します。
国内屈指の大河である、天竜川の河川ロマンを感じます。
次は茅野行きに乗車します。
天竜峡駅を12時33分出発。
伊那谷と言われる盆地を流れる、天竜川の雄大な景色を楽しみます。
天竜峡駅〜川路駅間の景色。(天竜川)
川路駅〜時又駅間の景色。(天竜川)
時又駅に12時39分到着。反対側のホームに移動して、とんぼ返りで折り返します。
茅野行きは列車すれ違いのため、3分ほど時又駅に停車。
次に乗車する豊橋行きが到着しました。
時又駅を12時42分出発。
次の訪問駅の鶯巣駅を目指します。
今日は朝早かったので、豊橋行きの車内でまったりしながら、30分ほど居眠りタイム。
鶯巣駅に13時28分到着。
鶯巣駅。
鶯巣駅を13時35分出発。
次の訪問駅は田本駅です。
田本駅に13時53分到着。
〜 田本(たもと)駅 〜
2023秘境駅ランキング第5位。
田本駅は秘境駅号の停車駅で、飯田線では小和田駅に次ぐ、人気の秘境駅です。
こちらが田本名物、断崖絶壁。
トンネルの上に行ってみます。
田本駅の断崖絶壁ぶりと、南信濃の山なみが堪能できます。まさに絶景!
田本駅から続く山道をしばらく歩けば、秘境に架かる絶景の吊り橋、竜田(たつた)橋にたどり着けます。
あたりに民家はないので、竜田橋はとことん秘境と絶景を満喫できます。
竜田橋から見える道路橋は、長野県道1号飯田富山佐久間線の大沢橋です。まるで天空の道路みたい。
別の日に、車で大沢橋に行ってみました。
ズームします。秘境のど真ん中にたたずむ竜田橋が確認できました。
竜田橋は、秘境に架かる孤高の吊り橋。
以上、田本駅のご案内でした。
田本駅と竜田橋の絶景を堪能して、次は豊橋行きに乗車します。
田本駅を15時31分出発。
次の訪問駅は小和田駅です。
小和田駅に16時01分到着。
〜 小和田(こわだ)駅 〜
2023全国秘境駅ランキング第3位。飯田線秘境駅号の停車駅で、全国にその名を轟かせます。
国内最高峰の秘境駅なので、当然ながら車で訪れるのは不可能です。まさに天下無双の秘境駅!
小和田駅はトンネルとトンネルの狭間にあり、上は断崖絶壁、下も断崖絶壁。
その昔、現在の皇后雅子様のご成婚の折に、旧姓の小和田(おわだ)にあやかった恋愛成就が話題となりました。
全国放送でニュースも流れ、小和田駅が一大ブームになったことは遠い昔の話。
落ち着きを取り戻した小和田駅は、この秘境に静かにたたずみ、古びたその姿は飯田線の歴史を語り続けます。
以上、最高の秘境ロマンにあふれ、大自然に囲まれて非日常的なひと時が過ごせる、小和田駅のご案内でした。
滞在時間はたったの10分ですが、真冬の夕暮れ時の小和田駅は、何か出てきそうで本当に怖いので、出来る限り早く脱出するように心がけています。。。
小和田駅を16時11分出発。
平岡駅を目指します。
平岡駅に16時27分到着。次は平岡駅から特急伊那路4号豊橋行きに乗車します。
天竜峡行きは、伊那路4号との列車交換のため、平岡駅でしばらく待機。
平岡駅は、天龍村の中心街にあります。
駅の横にそびえ立つ建物は、ふれあいステーション龍泉閣。
龍泉閣は、お食事処と日帰り入浴も可能な温泉、宿泊ホテルがある複合施設で、2階が平岡駅の駅舎です。
2階にはホテルのフロントと売店もあり、地域交流の場となっています。
平岡駅は、南信濃の観光や秘境駅めぐりの拠点として、多くの人に利用されています。
伊那路4号を待ち続ける、天竜峡行き。
平岡駅に、伊那路4号が到着です。
朝一番に中部天竜駅を旅立って、天竜川を駆けめぐった旅路も伊那路4号がラストラン。
平岡駅を16時42分出発。
伊那路4号で中部天竜駅を目指します。
今日も一日中歩き回ったので、帰りは特急伊那路のリクライニングシートの快適さが身にしみます。
私の乗車した1号車指定席(2号車・3号車は自由席)のお客さんは、私を含めてわずか三人。
真冬の特急伊那路は、孤独感も楽しめます。
伊那路4号は、小和田駅を通過。
流れゆく最強の秘境駅。
まもなく中部天竜駅に到着です。
中部天竜駅に17時17分帰還します。
最後に伊那路4号を見送ります。
豊橋を目指して発車した伊那路4号は、夕暮れの哀愁ただよう中部天竜駅を後にします。
秘境を流れる天竜川の絶景を駆けめぐる旅を終えて、家路につきます。
魅惑の秘境駅もいいですが、天竜川の絶景もおすすめです。
やっぱり、飯田線は最高です!
以上、飯田線と天竜川の絶景めぐりのご案内でした。
おしまい。
秘境駅巡りや秘境駅弁など、飯田線についての記事は、以下のリンクよりご覧になれます。
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注)写真は小和田(こわだ)駅です。