飯田線を代表する秘境駅の金野駅。


前回の秘境駅巡りの旅で、工程上の都合により、やむを得ずスルーしてしまった金野駅。


列車の中から見た金野駅の周辺は、秘境の雪景色がとっても綺麗で、立ち寄らなかったことを少々悔いていたので、今回あらためて金野駅にピンポイントで訪問してみたいと思います。


本日は、この時期にしか出会えない、雪景色の金野駅への旅路をご案内します。


ちなみに私は、秘境駅巡りをするときは、いつも中部天竜駅まで車で行き、朝一番の始発列車に乗車しています。


が、本日は中部天竜駅のあたりに積雪予報がでており、スタッドレスタイヤを履いていない私の車では、たどり着けない可能性があるので、新東名の新城インターからアクセスしやすい、本長篠駅から旅をスタートとします。


と言うことで、


本長篠駅に車で来ました。

注)駅前に駐車してある車は、私の車ではありません。私の車は駐車場に停めてあります。

本長篠駅には無料の駐車場があり、特急伊那路も停車するので、とても便利です。


本長篠駅には、JR東海から委託された嘱託の駅員が常駐しているので、土日祝日限定の「青空フリーパス」を購入。


飯田線のフリー区間は豊橋駅〜飯田駅間で、区間内は何度でも自由に乗り降りできるのが魅力です。


ちなみに、特急料金は別料金です。


青空フリーパスの料金は2,620円ですが、単純に本長篠駅〜天竜峡駅間を往復しても、片道1,690円×往復=3,380円なので、普通に乗っても760円お安くなるという、大変お得な切符です。


停車中の列車は、普通列車豊橋行きです。


しばらく待つと、伊那路1号飯田行きが到着。


伊那路1号の到着シーンはこちら。


今日は朝一番で所要があり、少々出遅れたので、普通列車ではなく特急伊那路1号飯田行きに乗車して、まずは天竜峡駅を目指します。

特急ですが、国内屈指の鈍足を誇るので、逆に沿線の景色をじっくり楽しめる、味わい深い特急です。

本日は、先頭車両の最前列(指定席)をキープしているので、全面展望にかぶりついて、走行シーンもお届けしてまいります。


今日は日曜日ですが、私の乗車した1号車指定席(2号車・3号車は自由席)のお客さんは、私を含めてわずか三人。

この時期の特急伊那路は、秘境感が漂います。

本長篠駅を発車した伊那路1号は、鳳来峡の渓谷を駆け抜けます。

車掌さんから、鳳来峡についての車内アナウンスがあります。



〜 鳳来峡(宇連川) 〜

鳳来峡の渓谷を流れる宇連川(うれがわ)は、川底が板を敷き詰めたように平らなことから、板敷川(いたじきがわ)とも呼ばれています。

渓谷には滝がいくつかあり、マイナスイオンを感じられるパワースポットです。

鳳来峡の渓谷を駆け抜ける特急伊那路。

この渓谷の先に、日本百名泉に名を連ねる、三河の奥座敷「湯谷温泉」があります。

以上、鳳来峡のご案内でした。


伊那路1号は中部天竜駅に到着。中部天竜駅には伊那路2号豊橋行きが停車しています。


左側が伊那路2号豊橋行き、右側が伊那路1号飯田行き。中部天竜駅では、乗務員の交代も行われます。

特急伊那路がすれ違いで同時に停車するのは、一日一回、この中部天竜駅だけなので、貴重な光景です。

中部天竜駅を後にして、天竜川をわたります。


水窪川にかかる飯田線名物の珍鉄橋、「渡らずの鉄橋」を通過します。


浜松市最北端の街、水窪を発車。


水窪の市街地をぬけて、秘境へといざなう全長5,063mの飯田線最長のトンネル、「大原トンネル」に入ります。


毎回思うのですが、この大原トンネルは、現代から別の時代へタイムスリップしているような感覚におちいります。


水窪の市街地からの、トンネルを出たらそこは秘境って感じのギャップがたまりません。


その逆に、帰りはトンネルを出たら水窪の市街地なので、現実に戻ってきた感がすごくあり、秘境がとても恋しくなって、哀愁がこみ上げてきます。


大原トンネルを出ると、いよいよ国内屈指の秘境区間が始まります。


大嵐(おおぞれ)駅を通過。


最強の秘境駅、小和田(こわだ)駅を通過。


秘境駅の中井侍(なかいさむらい)駅を通過。


秘境駅の伊那小沢(いなこざわ)駅を通過。


平岡駅を発車すると、車掌さんから天竜川についての車内アナウンスがあります。


平岡駅〜為栗駅間の景色。(平岡ダム湖)


秘境駅の為栗(してぐり)駅を通過。


温田(ぬくた)駅に停車。


秘境駅の田本(たもと)駅を通過。


門島(かどしま)駅を通過。


唐笠(からかさ)駅を通過。


秘境駅の金野(きんの)駅を通過。


金野駅には、また後で来ます。

秘境駅の千代(ちよ)駅を通過すると、ワイドビューチャイムが車内に流れます。秘境駅と雪景色とワイドビューチャイム。まさに三刀流。


天龍峡の渓谷を流れる、天竜川をわたります。


天竜峡駅に到着です。


伊那路1号とは、天竜峡駅でお別れです。

発車する伊那路1号を見送ります。


伊那路1号の発車シーンはこちら。


天竜峡駅に停車中の普通列車茅野行き。

真冬の天竜峡駅は、休日なのに観光客が少なく、とても静かな雰囲気です。

次は、豊橋行きに乗車して来た道を戻り、金野駅を目指します。


豊橋行きの到着シーンはこちら。


天竜峡駅を発車。


ようやく、金野駅に到着です。


もちろん、列車を降りたのは私だけ。

豊橋行きを見送ります。


豊橋行きの発車シーンはこちら。



〜 金野(きんの)駅 〜

2023秘境駅ランキング第6位。


秘境駅号の停車駅です。


金野駅に降り立たちましたが、日曜日のお昼すぎにも関わらず、今日は人が降りた形跡が全くありません。

と言うのは、ホームに積もった雪にまだ誰の足跡も残っていないのです。

さすが、金野駅の1日の平均乗降客数2人は、伊達じゃない。

これぞ秘境駅。

真冬の金野駅は、秘境駅ランキング上位の実力を余すことなく発揮しています。

飯田方面の景色。


飯田方面の景色。

飯田方面の景色。

飯田方面の景色。

豊橋方面の景色。

豊橋方面の景色。

線路の上は、断崖絶壁。

金野駅は、金運があがる縁起のいい駅として知られており、駅名標に触れるとご利益があるそうです。

駅の外に出てみましょう。

駅前には、車を駐車できる広場があります。

金野駅は、人里はなれた山あいにありますが、車で来ることは可能です。

が、急勾配・幅員狭小・離合困難な林道クラスの危険な道なので、車での来訪はご注意を!

私も一度、金野駅へ車で来訪していますが、ただひたすら対向車が来ないことを祈るばかりの道中でした。

酷道・険道走破の経験がない方は、飯田線で金野駅へ来訪することをおすすめします。

駅のすぐそばには、米川が流れています。

米川橋から下流側を望みます。
米川はこの先で天竜川と合流します。

金野駅から見える断崖絶壁。
絶壁の上に道路のガードレールが見えます。

金野駅から続く道路を歩いて、絶壁の上に行ってみます。この道を3kmほど行けば、金野集落にたどり着けます。

絶壁の上に到着。眼下に望む金野駅。

金野駅に戻ります。

金野駅に戻ってきました。


駅の待合室で、非常に重要な貼り紙を発見。

金野駅からの緊急避難経路です。

最寄りの千栄(ちはえ)小学校まで、徒歩で1時間50分って。。。

金野駅から望む米川。


粉雪が舞うなか、米川のせせらぎを聞きながら、しばらく物思いにふけります。


金野駅で静かに過ごす、至福の時間。

来てよかった、金野駅。

雪景色の金野駅、最高です!

以上、金野駅への訪問完了!


さて、金野駅への訪問を終えたら小腹が空いてきたので、天竜峡駅に戻ります。

しばらく待つと、岡谷行きが到着。


岡谷行きの到着シーンはこちら。


ちなみに、このまま金野駅から豊橋方面に行くこともできますが、次の豊橋行きの到着まで約1時間半ほどあり、途方に暮れてしまうので、早めに金野駅を脱出できる、岡谷行きに乗車します。

千代駅を発車後、天竜川の上空80メートルに佇む、三遠南信道の天龍峡大橋を列車の中から見上げます。

天龍峡大橋には、そらさんぽ天龍峡という遊歩道が設置されており、飯田の新たなる観光名所として話題となっています。

そらさんぽ天龍峡からの絶景はこちら。

そらさんぽ天龍峡では、風光明媚な名勝天龍峡の四季折々の彩りが楽しめます。

天竜峡駅に到着しました。

岡谷行きを見送ります。


岡谷行きの発車シーンはこちら。


豊橋行きが停車していますが、発車までまだ1時間ほど時間があるので、駅の近くのお食事処に信州そばを食べに行きます。


温かい信州そばを食べて、身も心もほっこりしたら、天竜峡駅のホームからも見える、姑射(こや)橋に出向きます。


姑射橋から望む、天龍峡の渓谷。


冬枯れの天龍峡は観光客も少なく、どことなく秘境感が漂います。

天竜峡駅は、駅から徒歩2分で手軽に名勝天龍峡の渓谷を楽しむことができます。

そろそろ、豊橋行きの発車時刻がせまってきたので、天竜峡駅に戻ります。


本日は、早めに家に帰らないと行けないので、いつも立ち寄る「そらさんぽ天龍峡」は観光せずに、そのまま本長篠駅に戻ります。


が、途中で小和田駅に立ち寄って、小和田駅 → 平岡駅 → 特急伊那路4号 → 本長篠駅という経路で戻っても、約30分の大回りで済むので、小和田駅に寄ろうかな?


天竜峡駅を発車して、車掌さんの切符の拝見の時に、小和田駅で降りる旨を伝えました。


が、小和田駅に到着するまで悩みに悩んだ結果、小和田駅は前回の秘境駅めぐりで堪能したし、雪景色の金野駅を満喫し、信州そばも食べて大満足の一日だったので、小和田駅はスルーすることに。


小和田駅を発車後、降りると聞いていたお客が小和田で降りなかったので、少し不安そうな顔をして巡回していた車掌さんに「すいません、小和田で降りるのやめました、そのまま本長篠まで乗ってきます!」と、笑顔で伝えると「降りなかったのでびっくりしてましたが、それならオッケーです!」と、オッケーサインを出しながら、笑顔で答えてくれました。


飯田線の車掌さんは、ほんとに気さくな方が多いです。


初体験がありました。


今まで普通列車で中部天竜駅から豊橋方面に乗車したことが殆どなかったので、私の知らなかった出来事です。


なんと、中部天竜駅からワンマン運転。


え?


閑散とした天竜峡駅〜中部天竜駅間の秘境区間には車掌さんがいて、これから多くの人が乗ると思われるこの先が、なぜにワンマン運転?


秘境区間こそ、ワンマン運転でもおかしくない利用者数なのに、なぜなのだ!?


秘境区間の車内はほんとに寂しいので、心強い車掌さんがいるに越したことはありませんが、これは飯田線の謎なのか?


勝手な解釈ですが、


この区間はあまりにも秘境すぎて、線路への倒木や落石、鹿などの動物との接触が多く、何かあった時にワンマンで運転士一人では対応が困難なので、一人で対応するより車掌さんと二人で対応した方が、乗客も安心できるという、秘境を愛するJR東海ならではの配慮かも。


ちなみに、中部天竜駅で車掌さんがいなくなって寂しくなった車内は、2両編成で前の車両は私も含めて5名、後の車両は0名です。


秘境区間は一人ぼっちで乗車していても、常に一番後ろに車掌さんがいるので、とっても安心できますが、ワンマン運転は他に乗客がいても、なぜか不安が募ります。


秘境区間に車掌さんがいる事の有り難みを、今回あらためて再認識しました。


秘境区間を走る飯田線に、いつも安心感を与えてくれる車掌さん、ありがとうございます。


ワンマン運転となった車内で、哀愁ただようひと時を過ごし、本長篠駅に帰還。


本長篠駅を後にして、家路につきます。


本日は日曜日なので、ある程度の人手は覚悟していましたが、ここまで孤独を味わえるとは。


以前、青春18切符のシーズンに飯田線に乗車したことがありますが、わりと混み合っていて、これは観光列車か? ということもありました。


が、今回は休日でも秘境感を満喫できたので、これぞ哀愁の飯田線!って感じで、今まで以上に飯田線が好きになった一日でした。


真冬の飯田線、おすすめです!


おしまい。



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注)写真は小和田(こわだ)駅です。