飯田線は、国内屈指の秘境路線として、全国的にも広く知られています。
とくに、水窪駅〜天竜峡駅間の秘境区間には、名だたる秘境駅が、たくさん点在します。
注)写真は小和田駅です。
本日は、飯田線の普通列車で秘境を駆けめぐり、この時期にしか出会えない、真冬の秘境ロマンを思う存分堪能したいと思います。
注)写真は田本駅です。
1日分の食料と飲み物、スマホのモバイルバッテリー、長靴の装着など、準備万端の体制を整えて、夜明け前の中部天竜駅に来ました。
中部天竜駅は、自宅(静岡県西部)から新東名・三遠南信道経由で、約2時間ほどあればたどり着けます。
まずは当駅始発の伊那松島行きに乗車。
中部天竜駅を6時15分出発。
最初の訪問駅、中井侍駅を目指します。
これから秘境へとむかう列車の乗客は私だけ。閑散とした車内が秘境ムードを盛り上げます。
大嵐(おおぞれ)駅に停車。
中井侍駅に6時48分到着。
〜 中井侍(なかいさむらい)駅 〜
2023秘境駅ランキング第10位。
なんとなく侍がいそうな駅名です。
豊橋方面の景色。
豊橋方面の景色。
眼下を流れる天竜川。
駅のすぐ目の前には民家があり、みかんの木やお茶畑もあります。
もちろん侍はいませんが、中井侍駅はアットホームな秘境駅です。
以上、中井侍駅への訪問完了。
次は豊橋行きに乗車します。
中井侍駅を6時59分出発。
次の訪問駅は小和田駅です。
小和田駅に7時04分到着。
〜 小和田(こわだ)駅 〜
2023全国秘境駅ランキング第3位。
全国にその名を轟かせる、最強の秘境駅。
国内最高峰の秘境駅なので、当然ながら車で訪れるのは不可能です。
陽射しをさえぎる樹木と、眼下を流れる天竜川のせせらぎが、秘境ロマンをかきたてます。
数ある飯田線の秘境駅の中でも、この駅だけは別格で、放つオーラが格の違いを見せつけます。ラスボス感がたまりません!
飯田方面の景色。
豊橋方面の景色。
その昔、現在の皇后雅子様のご成婚の折に、旧姓の小和田(おわだ)にあやかった、恋愛成就が話題となりました。
全国放送でニュースも流れ、小和田駅が一大ブームになったことは、遠い昔の話。
落ち着きを取り戻した小和田駅は、この秘境に静かにたたずみ、古びたその姿は、飯田線の歴史を語り続けます。
小和田駅から続く、この険しい山道を歩いていけば、約1時間ほどで最寄りの塩沢集落にたどり着けると言われています。
以上、最高の秘境ロマンにあふれ、大自然に囲まれて非日常的なひと時が過ごせる、小和田駅への訪問完了。
次は飯田行きに乗車します。
小和田駅を7時33分出発。
次の訪問駅は為栗駅です。
伊那小沢駅〜鶯巣駅間の景色。(天竜川)
鶯巣駅に停車。
平岡市街地の景色。
為栗駅に7時58分到着。
〜 為栗(してぐり)駅 〜
2023秘境駅ランキング第13位。
為栗駅は、難読駅名としても有名です。
飯田方面の景色。
豊橋方面の景色。
すぐ目の前はエメラルドグリーンの天竜川。
風がないので、水面が鏡のように輝きます。朝の清閑とした為栗駅は、まるで時間が止まっているような雰囲気です。
駅から見える吊り橋は天竜橋です。
エメラルドグリーンの天竜川に架かる天竜橋は、とても幻想的。
天竜橋に行ってみます。
なんとこの吊り橋、長野県道に指定されています。でも自動車は通行禁止です。
天竜橋から天竜川を望みます。
天竜橋から為栗駅を望みます。
為栗駅に到着する天竜峡行きの普通列車。
到着シーンはこちらです。
鉄橋をわたる、普通列車天竜峡行き。
天竜川の河原から天竜橋を望みます。
河原から望む飯田線の鉄橋。
以上、為栗駅への訪問完了。
次は中部天竜行きに乗車します。
為栗駅を9時47分出発。
次の訪問駅は伊那小沢駅です。
為栗駅〜平岡駅間の景色。(平岡ダム湖)
伊那小沢駅に10時00分到着。
〜 伊那小沢(いなこざわ)駅 〜
2023秘境駅ランキング第62位。
伊那小沢駅は、天竜川を見渡せる高台にあり、とても眺めがよく、開放感にあふれます。
飯田方面の景色。
豊橋方面の景色。
伊那小沢駅を通過する伊那路2号豊橋行き。
去りゆく、伊那路2号豊橋行き。
駅から見える巨大な橋梁は、水神橋。
水神橋に行ってみます。
水神橋から伊那小沢駅を望みます。
水神橋から望む天竜川と南信濃の山なみ。
まさに絶景!
伊那小沢駅がある長野県天龍村は、温暖な気候から、信州に春を告げる村と言われています。
次は天竜峡行きに乗車します。
伊那小沢駅を11時25分出発。
次の訪問駅は田本駅です。
為栗駅〜温田駅間の景色。(天竜川)
田本駅に11時50分到着。
〜 田本(たもと)駅 〜
2023秘境駅ランキング第5位。
豊橋方面の景色。
田本駅の出入り口。小和田駅と同じく田本駅も車で訪れるのは不可能です。
出入り口から続く極狭の通路。秘境駅なので人と会う確率はほとんどありませんが、万が一、人とすれ違う状況になった場合は、お互いに道を譲り合いましょう。
階段を登ってトンネルの上に出ると、そこには素晴らしい景色が待っています。
田本駅と南信濃の山なみです。まさに絶景!
田本駅を通過する伊那路1号飯田行き。
伊那路1号の走行シーンはこちらです。
トンネルの上から続く山道を進み、絶景の吊り橋の竜田(たつた)橋を目指します。
山道をひたすら歩いて竜田橋に来ました。
竜田橋から天竜川の上流側を望みます。
川から高さがあるので、素晴らしい景色に出会えます。秘境と絶景にかこまれて、至福の時間をすごします。
下流側を望みます。まさに絶景!
竜田橋は、秘境に架かる孤高の吊り橋。
注)以前に撮影した写真です。
秘境と絶景が楽しめる田本駅は、秘境駅ランキング上位の実力を余すことなく発揮しています。
次は豊橋行きに乗車します。
田本駅を13時10分出発。
次の訪問駅は平岡駅です。
平岡駅に13時24分到着。
〜 平岡駅 〜
平岡駅は天龍村の中心街にあります。
ホームの横にそびえ立つ巨大な建物は、ふれあいステーション龍泉閣。
お食事処と日帰り入浴も可能な温泉、宿泊ホテルがある複合施設です。
龍泉閣は駅舎もかねており、平岡駅は龍泉閣のニ階にあります。
平岡駅は、南信濃の観光や秘境駅めぐりの拠点として、多くの人に利用されています。
以上、平岡駅への訪問完了。
次は天竜峡行きに乗車します。
平岡駅を13時39分出発。
次の訪問駅は天竜峡駅です。
列車の中から、天竜川の上空80メートルの高さに佇む、天龍峡大橋を見上げます。
天龍峡大橋には、桁下に遊歩道が設置されており、飯田の新たなる観光名所「そらさんぽ天龍峡」として話題となっています。
天竜峡駅に14時13分到着。
これより、そらさんぽ天龍峡と名勝天龍峡を観光したいと思います。
まずは、あらかじめ予約しておいたタクシーに天竜峡駅から乗車して、下村展望広場を目指します。
天竜峡駅を出発したタクシーは、天龍峡インターから三遠南信道に入り、天龍峡大橋を渡ります。
注)以前に撮影した動画です。
千代インターで三遠南信道を降りて、天龍峡大橋の東側に位置する、下村展望広場に到着。
そらさんぽ天龍峡は、天竜川の上空80メートルを歩くことができる、天空の回廊です。
進入口は以外とひっそりとしていて、秘密基地に潜り込むような感じです。
階段を降りた先に、そらさんぽ天龍峡の出入口があります。
橋のたもとに設けられたエントランスに到着。
ここから、長さ280メートルの空中散歩(そらさんぽ)が始まります。
いざ、天空の回廊へ。
内装はシックな感じで、とても落ち着いた趣きです。歩道の幅は2メートルほどあります。
展望スペースから南側を望みます。
北側を望みます。天空から見下ろす天竜川と飯田線の鉄橋は、まさに絶景!
さらに進んで次の展望スペースに到着。
南側を望みます。
渓谷に沿って蛇行を繰り返す天竜川。
北側を望みます。
このアングルが、天竜川と飯田線の鉄橋を撮影するベストショットです。まさに絶景!
異次元の世界を体感した空中散歩を終えて、天龍峡パーキング側の出入口へ。
下村展望広場側に比べると、天龍峡パーキング側のエントランスは、わりと控えめです。
天空に張り出すテラス。
テラスから天龍峡大橋を望みます。
こちらの出入口へのアクセスは、天龍峡インターに隣接する、天龍峡パーキングが最寄りとなります。天龍峡大橋の西側です。
天龍峡パーキングに向かいます。
天龍峡パーキングから、そらさんぽの出入口までは、遊歩道を歩いて3〜5分ほど。
天龍峡パーキングは丘の上にあります。
駐車場は広々としており、開放感にあふれます。乗用車なら50台以上は駐車可能です。パーキングというより公園のような雰囲気です。
天龍峡パーキングは、正式な高速道路の休憩施設なので、トイレとインフォメーションセンターがあります。
建物の意匠は、景勝地の天龍峡らしい、風情を感じるデザインとなっています。
売店は今のところありませんが、土日祝日に限り、キッチンカーが来て飲食の営業をするときがあるそうです。
天龍峡パーキングからの景色も絶景です。
中央アルプスの雄大な山々の稜線を、大パノラマで展望できます。
そらさんぽ天龍峡と天龍峡パーキングの絶景を堪能したら、次は名勝天龍峡のつつじ橋を目指します。
天龍峡パーキングの北東にある出入口から、遊歩道を進みます。
遊歩道の途中にある展望台から、天龍峡大橋を望みます。天竜川と飯田線の線路が望める、絶景ポイントです。
まさに天空にそびえる、孤高の橋。
遊歩道は途中で急勾配の階段があります。今日は長靴を装着しているので、雪道の機動力は抜群です。
天龍峡の渓谷に架かる、つつじ橋に到着。
天龍峡の渓谷を望みます。まさに絶景!
名勝天龍峡の散策を終えたら、天竜峡駅を目指します。
天竜峡駅のすぐそばの天竜川に架かる、姑射(こや)橋に来ました。
姑射橋からも、名勝天龍峡の素晴らしい渓谷美を見ることができます。
姑射橋の目の前に広がる、姑射橋広場。
姑射橋広場では、天竜川の向こうにそびえる、中央アルプスの山なみが展望できます。
そらさんぽ天龍峡と、名勝天龍峡の絶景を堪能して、天竜峡駅に戻ってきました。
帰りは、特急伊那路4号に乗車して、夕暮れの秘境の景色を堪能したいと思います。
特急伊那路は、国内屈指の鈍足特急ですが、逆に沿線の景色をじっくりと眺めることができる、味わい深い特急です。
天竜峡駅を16時14分出発。
中部天竜駅を目指します。
天龍峡の渓谷を流れる天竜川を渡ります。
一日中歩き回ったので、リクライニングシートの快適さが身にしみます。
最強の秘境駅、小和田駅を通過します。
渡らずの鉄橋を通過します。
まったりしながら約1時間ほど秘境の景色を堪能し、中部天竜駅に17時17分帰還。
最後に、夕暮れの哀愁ただよう中部天竜駅を発車する伊那路4号を見送ります。
去りゆく、伊那路4号。
以上で本日のミッションは全てコンプリート。中部天竜駅を後にして、家路につきます。
本日も、秘境ロマンを満喫して大満足。
雪景色の秘境駅、最高です!
秘境駅巡りや秘境駅弁など、飯田線についての記事は、以下のリンクよりご覧になれます。
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注)写真は秘境に架かる孤高の吊り橋、竜田橋です。