睡眠障害(寝つきが悪い) | 島川はり灸院(院長ブログ)

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堺市ではり灸院を営んでいます。
各疾患別に治療例を紹介しています。
はり灸の話を中心に日記も書いていきます。

こんにちは。

今日は睡眠障害についてです。

まず、睡眠障害とは「寝つきがよくない」、「夜中に何回も目が覚める」、「全く

寝れない」など熟睡できていない事を指します。

そして、今日は睡眠障害の中でも「寝つきがよくない」について東洋医学の

側面から紹介いたします。

私がこれまで診てきた「寝つきがよくない」人は共通している生活習慣やそ

の他の症状がいくつかあります。

 

1、自分の能力以上の事をしてしまう(仕事や家事など)。

2、何事も頑張りすぎるがその日のうちに達成できずイライラしている。

3、就寝時に頭の中で「あれやこれや」と考え事をして寝れない。

4、お腹は空くが思ったほど食べれない。

5、身体がだるい。

 

上記の5項目のうち2つ以上に当てはまる人が多いです。

さて、この「寝つきがよくない」原因を陰陽論から説明いたします。

まず、人は体内の陽気が旺盛になる事で朝目が覚めます。

陽気が盛んなので人は動けるのです。

そして、夕方から夜にかけて陰気が相対的に多くなってきて日中活躍

していた陽気が陰気の中へ吸い込まれて人は寝る事ができるのです。

つまり、陽気とは活動する気であり陰気とは身体を休ませる気である

と言えるでしょう。

ですから「寝つきがよくない」を含め睡眠障害の多くは陰陽のバランス

の崩れが原因しているのです。

分かりやすく言えば夜なのに陽気が体内へ戻れずに体表に残ってし

まっている状態なのです。

陽気は活動する気ですから寝られないのは当然でしょう。

では何故、陰陽のバランスが崩れてしまうのでしょう?

上記の5項目の1と2をもう一度見てください。

この1と2の生活習慣は頭や身体を使い過ぎ、体内の血を必要以上に

消費してしまっているのです。

結果、血中の津液が減少してしまい虚熱が生じ、この虚熱が正常な陽

気と相まって相対的に体内に熱が増大してしまうのです。

熱は上昇する性質がありますので虚熱が頭にまで及び夜になっても

陽気が頭から身体の深部に帰れなくなり睡眠障害を起こすのです。

この虚熱は頭だけではなく体内の至る所へ悪さをしに行きます。

例えば、虚熱が胸に及び慢性化すれば動悸や息切れなどの症状が

出てきます。

ですから、この虚熱を取り除くか生活習慣を変えないかぎり病症の改

善は難しいと思います。

ここで、私が「寝つきがよくない」人によく使う治療法(鍼灸)を紹介いた

します。

肝の陰虚の人が大半を占めます。

(使用穴)

肝経の合穴、経穴。胆経の兪穴、経穴。

脾胃の募穴。

背部兪穴の虚実の調整。

食欲不振や倦怠感が強ければ胃経の絡穴へのアプローチ。

これで大概の「寝つきがよくない」は治まります。

但し、同時に生活習慣の改善をしていただかないと再発、あるいは

治るまでに時間がかかりますよ。

生活習慣の偏りが睡眠障害に繋がるのですから当然です。

あ、それとギックリ腰も「寝つきがよくない」と同じ治療法です。

即ち、頑張り過ぎはよくないという事で今日はおしまい。

 

 

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