腰痛症⑪ | 島川はり灸院(院長ブログ)

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堺市ではり灸院を営んでいます。
各疾患別に治療例を紹介しています。
はり灸の話を中心に日記も書いていきます。

こんばんは。

今日は久しぶりに腰痛の治療例を紹介いたします。

 

(患者) 男性、76歳、無職。

 

(主訴) 腰痛。 1ヶ月前に顔面N麻痺で病院に入院される。

入院されて3日後の朝に腰をギクっとやられる。

その後、4日後に退院されるが腰の痛みは変わらず。

腰痛の症状は寝返りがまずできない。寝ている姿勢から座位になる

のに10分はかかる。後屈は少しなれるが前屈は5度ほどしか曲がら

ない状態。とにかく身体を動かすと激痛が走るとのこと。

 

(不定愁訴) 顔面N麻痺の後遺症以外、特に無い。

 

(治療) 脈診などの四診法を行った結果、明らかに筋肉に問題がある

ことが診断できました(肝陰虚)。腰部に熱感あり。

治療は足とお腹や背部にある要穴に施術を行いました(全身調整)。

多くの筋肉系の腰痛の人はこの全身調整で腰の痛みが半減するので

すがこの患者さんの場合、変化が診られませんでした。

そこで、腰椎の1番凹んだ(L1~L2)所の左右に短鍼を留置して座位

の状態でゆっくりと前後屈、左右のひねりを行いました。

次に膝を固定した状態で身体を前方に倒して寝てもらって起き上がる事

を繰り返す腰痛体操を施しました。

結果、腰の前後、左右の可動域が広がり腰の痛みも4割くらいになった。

以降、このような腰痛体操を組み合わせた治療を4回施し体質も肝陰虚

から虚労に変化していたので治癒といたしました。

 

(考察) この患者さんの腰痛の原因は入院時のベットとマクラの固さも

関係していたと思われます。あと、足先からの冷えが腰の筋肉を緊張さ

せていたのかもしれません。

ただ、この患者さんは入院される前からかなり身体に疲労を溜め込んで

おられたものと思われます(本人さんに自覚はなし)。

実際、顔面N麻痺になられているわけで。

また、腰を痛められて1ヶ月位経っているのに腰にまだ熱感が診られた

事からもそうとう腰に疲労が蓄積していたのでしょう。

今回、行なった腰痛体操は筋肉系の腰痛症の方にしか施しませんがめっ

たにいたしません。それだけ苦労させられた治療例だったといえます。

 

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