先日、仕事で高松に行く機会がありました。 
香川県と言えば、讃岐うどんの本場、そして「うどん県」で有名ですよね。 
随分前の話となりますが、麺通団「恐るべき讃岐うどん」という本が大ブレイクしたことも記憶にあります。 

さて今回、帰りの電車の時間もあり、てみじかに済ませようと思い、たまには有名店でうどんを食べて帰ろうと思いつきました。 
このことが失望につながるとは予想はしていなかった私です。 

高松・丸亀町商店街、三越高松店から、歩くこと5分、大工町にその店(○福)はありました。 
弘法大師さまが唐から伝えたと言われるくらい、歴史のある食べ物ですし、小麦粉・塩を使うことからも分かりますが、その作り方ひとつで味の優劣が決まると言っても過言ではありませんよね。 
また、香川でうどん巡りをされた方なら、驚くほど安い値段で美味しいうどんが食べられたことを懐かしく思い浮かべられたと思います。 

ところが、この有名店、「うどん割烹」「宗家」など、見るからに高そうなイメージを打ち出していますが、店構えは他のお店と比べて、凝った造りではありませんでした。 
また、お昼の時間に、お店の中は殆どお客の姿も見えません。 
美味しいのであれば、お客さんの活気で満ちあふれているものですが。。(゜-゜) 

更に嫌な予感は続きました。 
お昼のサービスメニューを見て驚いたのが、「ざるうどん」+「おいなりさん(2個)」セットが、な、なんと700円なのです(@_@;) 
ちなみに私がよく行く岡山のおうどん屋さんは、天ざるうどん大盛りが900円ですが、天ぷらだけでも季節のお野菜をふんだんに食べられますので、これで900円で良いのと思うくらいです。 

実際、高松で何度かうどんを食べましたが、セルフではなくフルサービスのお店でも、大盛りの天ぷらうどんで550円など、ここまで高くなかった気がします。 

また出てきたうどんも、特に秀でた美味しさとは言えませんでした。 
うどんがシンプルな素材で作られることもあり、つゆの美味しさも評価の対象と思いますが、ごく普通のつゆで専門店としては及第点に届かないと言いましょうか、市販のめんつゆの方がはるかに美味しいとさえ感じたのです。 

そして、おいなりさん。。 
特製おいなりと打ち出しているにかかわらず、コンビニ、スーパーで売られているものと殆ど変わりません。 
せめて中の具材に凝って欲しかったと思います。 

ということで最終評価は40/100でしょうか。 
私的には「二度と行かない」という評価です(怒) 

ふと脳裡をよぎったのが、平家物語の有名な冒頭でした。 

祇園精舎の鐘の声 
諸行無常の響きあり 
沙羅双樹の花の色 
盛者必衰の理をあらわす 
おごれる人も久しからず 
ただ春の夜の夢のごとし 
たけき者もついには滅びぬ 
偏に風の前の塵に同じ 

実際、観光客など一見さん目当てにテレビCMを含めて、倉敷など岡山にまで展開していたうどん店がつぶれたのも数年前のことでしたし、同じようなことにならなければと思うのです。 

やはり、うどんの原点を見直して本当のうどんを提供して欲しい、そう思えました。